中国企業の信用調査

約14億人が暮らす中国は、日本企業にとって無視できない巨大市場です。以前に比べて貿易の障壁がすくなくなり中国企業と直接ビジネスする中小企業も増えてきました。とはいえ国際取引では常にリスクが存在します。大手企業であれば与信管理に費用をかけれますが、人材も資金力も制限がある中小規模企業は人間関係を軸にしたリスク対策を取らざるを得ないのが現状です。

中国企業とビジネスをする時に危ない企業を簡単に見分ける方法があります。それが今回ご紹介する中国裁判文書網のチェックです。これは中国政府が運営している裁判資料のオンラインサイトで中国で行われた刑事裁判、民事裁判、行政勧告、賠償請求などの資料が無料で閲覧できます。ちなみに、2018年2月6日現在、登録文書は42,379,849件あります。気になる中国企業があれば確認してみてはいかがでしょうか?

当社が行った調査事例

先日、当社との取引を希望している中国化学工業メーカーK社について調査を行いました。このK社は、最近コンタクトしてきた会社で、これまで取引経験はありませんでした。K社から入手した情報は製品に関するものと企業の基本情報だけですが特に気になるところはなく、担当者とのやり取りもスムーズでした。

ところが、中国裁判文章で調査すると2015年から2016年にかけて法廷闘争が複数回あり、その中には売買に関わる案件が入っておりました。判決文章の詳細を見ると企業体質として問題だと思われる記載が多く、信頼することは難しいと判断しトラブルに巻き込まれる前に取引の申し込みを断ることが出来ました。

裁判文章を見るメリット

通常、民間の与信調査会社から有料で購入する企業調査報告書は、売り上げや利益、内部留保など経営状況について書かれており数字が中心となります。しかし、裁判文章は、トラブルの詳細内容、担当者、対応内容まで細かく書かれており、その企業の裏の一面が分かります。大事な取引をするときは、必ず裁判文章網をチェックしましょう!

中国裁判文書網の調査手順について

1.サイトを開きます。

中国裁判文章網のサイトを開きます。サイトURL : http://wenshu.court.gov.cn/ 中国のサイトなので日本サイトのよりは反応が遅くなりますが、下記の画面が出ます。

2.検索欄に企業名を入れ検索します。

ここで注意しておかないといけないのが、入力は必ず簡体字で行うという事です。日本語漢字で企業名を検索すると正しく検索できな場合があります。かならず中国の漢字である簡体字で正式企業名を記入しましょう。なお末尾の有限公司は省略してもかまいません。企業名を入力したら、検索窓の右側にある、『捜索』ボタンをクリックして検索を開始します。

3.検索結果を確認します。

左側の欄は検索された文章の分類と該当件数です。紛争内容、紛争場所、審判した裁判所(最高裁、人民法院、下級裁判所など)、裁判年度、裁判進捗状況(一審、二審、再審など)、結果(判決文、調停書、決定書、通知書など)など絞り込むことができます。

4.判決詳細を確認します。

気になるタイトルをクリックすると判決文の詳細が見れます。

代行調査も承ります。

中国語が読めない企業様の代わりに、裁判文章の概要を日本語でリスト化するサービスも承っております。ご要望の方は下記からお申込みをお願いします。
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