自由の女神(Statue of Liberty )との出会い

観光名所というのは、多くがその場所に行って、その土地の空気を吸いながら見ないことには、なかなか興味がわかない物だが、今回、商用で米国に行き、半日自由な時間が取れたので、ニューヨーク在住30年近い方に、自由の女神を案内してもらうことになった。

テレビでは、何度も見ていながら、じっくり調べた事がなかった自由の女神であるが、流石に目の当たりにすると興味が湧いてきた。今回は、私が現地で教えてもらった話と帰国後に自分で調べた話を整理してお伝えしたいと思います。

自由の女神は、フランスからのプレゼント

自由の女神は、今から130年以上も前の、1886年に完成しました。アメリカ製だと思っている人も多いと思いますが、実はフランスがアメリカ合衆国の独立100周年を記念して贈呈したものでありメイド・イン・フランスです。因みにアメリカで作ったものは、女神像の台座部分ですが台座建築の資金集めには苦労したようです。
台座を含まない女神像の高さは約46メートルで、奈良の大仏(約15メートル)の約3倍です。
女神像は、鉄の骨組みの外側に銅の板を張り合わせて出来ています。米国に輸送するときは、フランスで組み立てた女神像を一度解体して運送し、アメリカに到着してから再度組み立てたそうです。自由の女神は、ニューヨーク湾に浮かぶ小島(リバティ島)に立っており、強い海風に耐えれるよう高度な設計技術が必要であったそうです。因みに、パリのエッフェル塔を設計したギュスターブ・エッフェルも女神像の設計に関わっています。

日本人の私から考えると、いくら独立100周年の記念日だからといって、他国にここまでのプレゼントをするのは、やりすぎのような感じがします。しかし、アメリカの独立が、当時のフランス人を勇気付け、後のフランス革命につながったという意味は非常に大きく、一足先に自由を手にいれたアメリカに対するフランス人からの深い敬意の表れだそうです。
ちなみに、女神像は、遠くからは分かりませんが、そばで見ると左足を一歩前に出しており、その足元には引きちぎられた鎖があるそうです。これは、全ての弾圧、抑圧からの解放と、自由、平等を象徴しております。

女神像を長持ちさせる先人の知恵

皆さんご存知の通り、自由の女神は薄い緑色をしてます。これは、そのような色を塗ったのではなく、銅が、酸素、二酸化炭素、水分、塩分などと反応して出来る緑青(りょくしょう)と呼ばれる皮膜の色です。
実際、完成当時の女神像は、まだ緑青の皮膜はなく茶色い像だったそうで、今でも風雨にさらされてない内部は10円玉と同じ色だそうです。
この緑青は、銅板内部の腐食を防ぎ抗菌効果も高いと言われており、海風による銅の腐食を防ぎ、且つニューヨーク湾に沢山いるカモメ達のフン害から衛生面で守る、一石二鳥の先人の知恵だそうです。
ちなみに、ニューヨークの中心地マンハッタン島の古い建物の屋根にも、銅が多く使われており薄緑色をしております。

無料で自由の女神を見学する方法

前述の通り自由の女神は、リバティ島と呼ばれる小島にあるので、観光客がいるマンハッタン島からは、小さくしか見えません。忙しいビジネスマンが、もし自由の女神に行くときは、マンハッタンのバッテリーパークからスタテンアイランド間を往復している(片道25分程度)している無料の連絡船に乗ることをお勧めします。この船は、自由の女神があるリバティ島には行きませんが、島のすぐそばを通るのでよく見えます。写真は、この連絡船から撮影したものです。
因みに、私が行ったときは、30分に一本程度の間隔で出航しておりました。
乗換が良ければ、1時間半程度で往復できます。