貿易条件インコタームズとは?

インコタームズの役割

国際貿易において海外の企業と取引する時に、対象となる貨物を何処まで誰の費用で持っていくのか決める必要があります。これを貿易条件というのですが、自分たちで取り決めようとすると非常に難しく、当事者同士の言葉や文化の違いで解釈の違いが生じトラブルの原因になります。

このような事にならないように、何処の国の誰が使っても共通の解釈ができるインコタームズという統一ルールが作られました。

進化するインコタームズ

インコタームズは、英語でINCOTERMSと書きますが、これはInternational (国際)Commercial(商業) Terms(条件)の頭文字をつなぎ合わせた造語です。
昔の貿易は船の輸送が中心で人間が一つ一つ貨物を積み下ろしていたので非常に効率が悪い物でした。しかし、現在はコンテナ輸送の普及により大型クレーンを使った機械式の積み下ろしが可能となり、港での貨物処理量が格段に多くなりました。因みに、世界一コンテナ取扱量が多いのは中国の上海港で、20フィートコンテナ換算で年間36百万個=1日あたり約10万個(2015年時点)もあります!
日本でコンテナ取扱が一番多いのは東京港ですが、せいぜい年間約4~5百万個しかありません。
グローバル化により輸送技術も日々進化しており、インコタームズは時代に合わせて約10年に一度ルール改正をしております。現在は2010年度版のインコタームズ(INCOTERMS 2010)が最新であり、11の貿易規則(ルール)が定義されております。

インコタームズは誰が作っているのか?

インコタームズは、国際貿易を円滑に行う上で欠かすことが出来ないものです。しかし、インコタームズは国家どうしが定めた条約や協定ではありません。民間企業が集まって運営しているICC(国際商業会議所/International Chamber of Commerce)が策定しているものです。因みに、INCOTERMSは、商標登録されております。現ICC会長は、スニル・バーティ・ミタル氏で、インドの電気通信事業者会長です。(※2017年4月時点)
国際商業会議所(International Chamber of Commerce: ICC)サイト:
http://www.iccjapan.org/

貿易条件でとっても大事なリスク(危険負担)移転時点について

輸出であれ輸入であれ国際貿易をする人が必ず理解しておかないといけないのは、取引対象貨物の輸送リスクです。これを理解してないと万が一の時に損害をこうむります。
国内輸送ですら貨物の破損や紛失は時々あります、ましてや海を渡って長距離を移動する国際輸送ではリスクは確実に高くなります。

他の記事でインコタームズに書かれてある11規則について、それぞれのリスク移転がどこで行われるか具体的に図で説明しているので是非ご参考下さい。

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