貿易条件とは?

自社の製品を海外向けに販売する時は、引き合い相手に見積書を提出する必要があります。そして、その見積書で必ず記載するのが貿易条件です。 貿易条件がなく価格だけ記載されていると、見積を受け取った相手は、製品輸送時の費用をどちらが負担するのか分からないだけでなく、万が一、輸送途中に荷物が破損したり、盗難にあった時の損失責任を買手が負うのか売手が負うのかも分かりません。

貿易条件で使用する用語については、このように書くべきという、国際条約や法律がある訳ではありません。よって、取引する当事者同士が理解できるのであれば、自分たちで条件を作っても問題はありません。しかし、言葉も文化も違う国際貿易で認識を同じにするのは容易ではなく、実際の貿易では、INCOTERMSと呼ばれる国際商業会議所(ICC)が取り決めた貿易条件を使います。

インコタームズについて

このインコタームズは、時代に合わせて何回か改訂してます。現在は、2010年度版であるインコタームズ2010が使われており、EXW、FCA、FOB、CIF等々11規則が定義されております。尚、一つ前のインコタームズ2000もいまだ有効です。ただし、前のインコタームズ2000は、定義されている規則が今より2つ多く13規則(条件)もあり、FOBの危険移転箇所など解釈が少し異なります。お客様と契約を取り交わす時は、念の為、見積書にインコタームズの何年版を採用すると明記しておくと、輸送トラブルが発生した時にお互い統一した考えで対応できます。

貿易条件の選び方

さて、御社の工業製品を海外に販売する場合、貿易条件は何を選べばよいでしょうか?必ず船で輸送しないといけないような大型の装置などでない限り、売り主にとって、危険と費用負担が少ないFCAもしくはEXWを選ぶことをおすすめします。因みに、FOBは本船渡しの意味であり船に限定される輸送条件です。近年ではFOBの代わりに船と飛行機のどちらの輸送形態でも利用できるFCAを使います。