ベトナムに食品加工用装置用カッターを輸出するときの関税調査事例

ステップ1:商品コードを調べる

関税を調べるには世界共通で使われる商品コード(HSコード)を調べます。税関のホームページにある輸出統計品目表関税率表解説・分類例規を見ながら対象商品のコードを探します。もし、急ぎの場合は、グーグルなどの検索エンジンに『英語の商品名+HS CODE』を記入するとコードが見つかる場合があります。※迷ったら自分で勝手に判断せずに税関に問合せして正しいHSコードを確認しましょう。

今回は素早く調査したかったので、グ―グルの検索窓に『HS CODE FOR CUTTING BLADES』と入力して調べたところ、以下の通り、HS CODEは8208.30 であることが判明しました。調査結果↓↓↓

ワンポイント
HSコードは、上6桁までは世界共通です。7桁目以降は、国によって自由に定める国内細分であり使い方は国によって異なります。もしグールグで海外のHSコードを検索する場合は共通部分である上6桁のコードを使います。ただし、米国では、HTS(Harmonized Tariff Schedule)の輸入コードで商品分類の運用がなされています。
税関のホームページ:
『輸出統計品目表』:http://www.customs.go.jp/yusyutu/
『関税率表解説・分類例規』:http://www.customs.go.jp/tariff/kaisetu/index.htm

ステップ2 ベトナムの関税率を調べる

国際物流会社の最大手であるFEDEX社が運営するオンラインの関税データベース”World Tariff(ワールドタリフ)“で調査します。このデータベースは本来有料なのですが、ジェトロ(日本貿易振興機構)が包括契約しているため、ジェトロのサイト経由で”WORLD TARIFF”のアカウントを取得すると、何回でも無料で使えます。とっても有難いです!

ベトナムにおける関税調査手順:

A)ジェトロのサイトを開く:

ジェトロのホームぺージを開き、目的別に見る> 輸出 > 世界各国の関税率 > 初めての方へ を開き、ユーザー登録をクリックします。

ジェトロ登録:https://www.jetro.go.jp/theme/export/tariff/registration.html

B)ユーザー登録を行う:

以下のようにFEDEXの登録画面に入るので、必要事項を記入します。
※州(米国のみ)が、Alabamaになってますが、日本の県設定は出来ないので、このままでOKです。

C)アカウントを取得:

FEDEXより登録メールアドレス宛に、User IDとYour password が送られてきますので、FEDEX WorldTariff のホームぺジからログインします。
※User ID とパスワードは、別々のメールで送られてきます。

WORLD TARIFF ログイン:https://ftn.fedex.com/wtonline/jsp/wtoMainUL.jsp?pageName=wtoMain.jsp&current=Search Options

D)HS CODE検索をクリックする:

WORLD TARIFFオンラインデーターベースにログイン出来たら、HSコード検索をクリックします。

E)ベトナムの関税を確認する:

仕向け国/輸出先をベトナム、番号欄に事前に調べたHSコードの上から4ケタ(今回は、”8208″)を入力し、Submitボタンをクリックします。

F)ベトナムMFN税率を確認し、詳細をクリックする:

事前に調査したHSコード:8208.30の項目にあるMFN税率を確認。MFNは、WTO加盟国全てに適応される税率の事です。この場合は税率が20%となります。
その後で、HS Number : 8208.30.00をクリックして税率詳細を確認します。

MFN:WTO協定税率ともいい、WTO加盟国で適応される税率です。MFNはMost Favoured Nationの頭文字から取ったもので、関税などについてWTO加盟国で同じ条件を適用すべしというルールで最恵国待遇のことです。
G)日本との貿易協定税率を確認する:

『Japan』の欄を確認して、詳細をクリックします。日本は、ASEANの貿易協定税率が適応されるため9%であることを確認。また、原産地証明のルールRVCは、40%であることも確認。


RVC税率:Regional Value Content:域内原産割合