分かっているようで意外と答えれない輸入の話

日々のお仕事お疲れ様です。
今日は、少し内容を変えて、輸入の話をしたいと思います。

皆さんに、突然の質問です。『輸入とは?』て聞かれたらなんと答えますか?

多くの人は、外国から物やサービスを国内に持ってくることだと答えると思います。

しかし、厳密にいうと国内に持ってくること=輸入ではありません。
日本に入ってきた貨物は、通常、保税地域に搬入されます。この保税地域は、輸入許可待ちの外国貨物が一時的に置かれる場所であり、貨物を保税地域から引き取らない限り輸入ではありません。

よって輸入を説明するなら、外国から来た貨物を我が国(本邦)に引き取り、税関で輸入許可をもらい内国貨物にして市場に流通させることであると言えます。輸入許可前の貨物は、外国貨物であり、たとえ国内にあったとしても市場に流通させることはできません。そして、この税関で輸入許可をもらうまでの、一連の手続きを輸入通関と呼びます。

さて、硬い話は、ここまでにして、一つ質問をしたいと思います。

Le fait d'apporter au Japon du poisson capturé par des navires de pêche japonais dans la zone économique exclusive de la Chine constitue-t-il une importation ?

排他的経済水域とは、自国の領海の外側に海岸の基線から測って200海里までの範囲内で設定される水域のことです。EEZとも呼ばれます。

ご存知の通り、外国で日本人が物を購入し日本に持って帰ると輸入になります。その理屈から考えると、この質問も輸入に該当するように思えますが違います。

回答:内国貨物なので、輸入ではありません

関税法「第二条第一項第三号」には、こう書かれてます。

関税法「第二条第一項第三号」
内国貨物とは、本邦にある貨物で外国貨物でないもの及び本邦の船舶により公海で採捕された水産物をいう。

実は、ここでいう公海には、排他的経済水域も含まれております。よって、本邦つまり日本の船が中国の排他的経済水域で釣ってきた魚は、日本の港で釣った魚と同じ内国貨物として扱われるのです。

では、折角なので、もう一問、水産物に関する質問をしたいと思います。

日本の排他的経済水域に中国籍のマグロ釣り漁船が来て、釣ったマグロを日本に持ってくるとします。これは、輸入でしょうか?

答え:外国貨物として輸入通関が必要です
最初の問題から推測できた人もいらっしゃるかもしれませんが、日本の排他的経済水域も公海であり、公海でとったのはその国の船舶の貨物になります。よって、中国漁船がとった魚は、外国貨物として扱われる為、日本に持ってくる場合は輸入通関が必要になりなります。

チョットした知識があると貿易も楽しくなります。