中小規模の事業者がサイト運営をする時には、何に気をつければ良いでしょうか?もし社内にサイト作成の知識を持った適任者がいなければ、何から手をつければ分からなくなります。今回は、サイト作成知識がない企業がサイトを立ち上げる為に、押さえておくべき重要な3つの事について、弊社の経験を含めて述べたいと思います。

1.サイト制作業者で作ってもらうか?自社で作るか?

企業の経営者にとって、無駄な出費は少しでも少なくしたいものです。サイト制作費を押さえることはもちろん重要です。サイト制作が初めての人は、ついついサイト制作費ばかり目が向いてしまいます。しかし、企業サイトは立ち上げてからがスタートです。新製品の紹介や企業情報など情報をどんどん追加で発信したり、時代に合わせてサイトのセキュリティ対策などが必要になり、一定額の維持コストが必要となります。コピー機の販売方法ではありませんが、サイト制作業者の中には、サイト代金を格安にして、その後の保守サポート費で埋め合わせようと考えている業者も多くいます。業者選定は、目先の金額でなく、サイト維持費を含めて1年間のトータルコストで考える必要があります。

実体験して感じたこと

弊社も昔、サイト制作会社に格安でサイト作成をしてもらった事がありますが、サイト完成後にソフトウエアを自分でアップデートしたところ、表示不具合が発生してしまい、対策をお願いしたところ、サイトのプログラムを一から調査して不具合原因を調べる必要があるから、まず調査費用を支払って欲しいと要求されたことがあります。

当時、当社はサイトに関しての知識が乏しかった為、費用請求の妥当性が判断できず、ひとまず業者へは依頼せずに自社で修正をする事にしました。実際にやってみて分かったのですが、多くのサイトの不具合やトラブルは、インタネットで検索すれば解決方法が見つかります。その時の問題は、わざわざ調査をするまでもなく、アップデートしたソフトウエアのバグ(不具合)から起きている事が分かり、対処方法通りにすれば1日で解決しました。

サイト制作業者に丸投げしない

国内にはサイト制作業者が多数あります。昔は、サイト制作には専門知識が必要でしたが、ソフトウエアの進歩により、現在は安く簡単にサイトが作れるようになりました。厳しい競争の中で、サイト制作業者は少しでも収益を上げたいと思うのは理解できます。しかし、だからと言って不必要な出費は抑える必要がります。

これから自社サイトを立ち上げる場合は、たとえ専門知識が無くても、業者に丸投げせず、まずは自分でサイトを立ち上げることを検討してみることをお勧めします。多少は時間がかかりますが表面的なことでも良いので知識を身に着けておけば、将来サイト制作業者を使う時に、依頼する作業範囲を明確にでき無駄な費用がかからずに済みます。

2.自社でサイトを立ち上げる時は、どうすれば良いか?

自社サイトを立ち上げるには、まずホームページを作るためのソフトウエアを用意する必要があります。
自社サイトをインタネットの世界における自社ビル建築と例えるなら、このソフトウエアは、クレーン、ミキサー車などの建設機械に該当します。現実世界では、自社ビルを建てるとなると高額な建設機械を用意する必要があります。しかし、インタネットの世界での自社ビル建築では、無料やオーダーメイドの建機(ソフトウエア)など、非常にたくさんの種類があり、予算とやりたい事に応じて選択ができます。

もし、自社製品を掲載するだけで、ともかく急いでサイトを立ち上げたいのであれば、「ホームページビルダー」や「Dreamweaver」などの有料ソフトウェアを使えば、プログラムについて知識がなくても簡単にサイト作成ができます。
多少は時間がかかっても良いので、ともかく費用を安くしたいなら「ワードプレス」などの無料のCMSと呼ばれるコンテンツ管理システム(Content Management System)を使って好みのデザインテンプレートをダウンロードしてサイトを立ち上げる方法もあります。

どのソフトウエアを採用するかは運営者の自由ですが、もしサイトに関する知識が不足しているのであれば、広く普及しているソフトウエアを使う事が大原則です。デザインが良いからと言って、利用者の少ないソフトウエアを使うと後から自分で対応できなくなります。多くの人が使っている有名なソフトウエアは、不具合が発生したり、操作で分からないことがあっても、インタネット検索で解決法が見つかりやすいです。
特に世界中で利用されているワードプレスは情報量が多く、静的な記事だけでなくYOUTUBEの動画コンテンツもとても充実してます。

勿論、自社で作らずに、サイト制作会社に依頼しても問題ありません。しかし、できれば上述のような市販または無料配布されているソフトウエアを使ってサイト作成をしてもらう事をお勧めします。
サイト制作業者が独自で開発したソフトウエアでサイトを作ってしまうと不具合対応や表示修正などが、制作業者でしか変更できなくなる可能性があり、ちょっとした修正でもお金を請求される場合があります。良心的なサイト作成業者であれば、XXX社のソフトウエアを作ってサイトを作成してほしいと要望すれば、多くが了解してくれるはずです。⇐ただし、業者としては市販のソフトを使うと保守費用が取りにくくなる為、自社ソフト以外は対応しないと断られる場合もあります。

3.サーバーはどこの業者を使うか?

業者を選び、ソフトウエアを決めると最後に残るのは、サーバーです。先ほど、ソフトウエアが自社ビルを建てる建設機械のようなものだと言いましたが、サーバーは土地に該当します。プレハブ住宅のようなシンプルなサイトであれば、サーバーの引っ越しもすぐできますが、複雑なプログラムを使い情報量も多いサイトになると引っ越し時の荷物(データー)や作業も多く、簡単にサーバーを変えるわけにはいかなくなります。
サーバ選びにおいて、コストは当然大事ですが、サーバーに入れれる情報量、作ったサイトの表示速度、サーバーの安定性についても考えておく必要があります。

もちろん月額数百円の格安サーバーでも十分使えます。しかし、サイト内のコンテンツ量が増えるにつれ表示速度は遅くなります。

下の画像は、月額500円のサーバーから月額1000円のサーバーに引っ越した時のサイト表示速度スコアですが、わずか500円の差でもサーバーによっては速度に大きな差が出来ます。サイト表示速度は検索順位にも影響すると言われております。ビジネスで使用する以上はできだけ表示速度が速いサーバーを使う事をお勧めします。

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サイト表示速度計測:PageSpeed Insights