検索連動型広告とは

検索連動型広告とはGoogle Adwordsに代表される、ネットユーザーの検索ワードの内容に応じて出稿される広告のことです。また、リスティング広告などと呼ばれる場合もあります。その広告は自然検索による検索結果が表示される画面の上部や下部に表示され、「広告」などのラベルが付けられることで、他の自然検索による結果と区別されています。この検索連動型広告は、ウェブ担当者など、それを使う人にとっては非常に馴染みの深いものですが、使う必要がない人、つまり広告はもっぱら見るだけという人にとっては、その仕組みを考える機会がほとんどないものだと思います。

検索連動型広告は、クリック課金型(CPC)の料金設定となっており、ネットユーザーが貴社の広告をクリックして初めて広告料金が発生する仕組みとなっています。その為、バナー広告などと比べ無駄な広告費が発生しにくく、上手に活用すれば中小企業にとって使いやすいものになると思います。

今回は、中小企業のウェブ担当者が海外での拡販を進めるにあたり、この検索連動型広告とどう付き合っていったら良いのか、について述べてみたいと思います。

中小企業にとっての検索連動型広告

中小企業が広告市場で大手企業と競合する場合、検索連動型広告は有効な手段になるはずです。それは、

広告費(一回のクリックに支払える費用)の大小だけで、広告の表示順位が決まるわけではない(資本力で全てが決まらない)
広告自体はGoogleが公開する一般的なフォーマットに従って作られるので、デザインに大手との差が出にくい

等の理由によります。

海外での検索連動型広告

海外で検索連動型広告を行う場合には、まず、広告対象国での検索エンジンのシェアを把握する必要があります。つまり、対象国で最も大きなシェアを持つ検索エンジンに広告出稿を行うのです。以下にて、各々の国で最大のシェアを持つ検索エンジンの名称を記します。

例)
アメリカ … Google
中国 … 百度
韓国 … NAVER
台湾 … Yahoo!
ロシア … Yandex
その他の多くの国々 … Google

それぞれの国では上記の検索エンジンの他に、競合するマイナーな検索エンジンも存在しますが、それらの検索エンジンへの出稿は、それらがマイナーな存在のため広告効果が小さい、中小企業が取り組むにはノウハウなどの情報量が少なすぎる、等の理由によりお勧めはできません。
検索エンジンが異なれば、当然検索連動型広告の契約先(検索エンジンの運営会社)や、その広告出稿・管理のルール、料金なども異なるので注意が必要です。例えば、Google(Google Adwords)ではクレジットカードさえあれば日本の企業であっても制約なしに世界中の国での広告出稿ができる一方、中国・百度の検索連動型広告を日本から実行するには、日本に存在する百度の代理店のうちのいずれかの1社と契約を交わし、その代理店を通じて広告出稿を行うしか選択肢がありません。その場合、その代理店とある程度まとまった金額の契約を結ぶ必要があり、かつ、実際の広告管理は代理店に任せることになりますので、自社では広告の管理画面も見ることができず、その他、Google Adwordsでは存在しない様々な制約を受けることになります。

検索連動型広告においては、話者が多く競争が激しいためか、英語での広告費(クリック単価)はその他のローカル言語(例えばスペイン語など)の場合と比べ、多くのケースで割高になっているようです。そのため、英語での広告出稿を考える場合には、費用対効果を十分に考えたいものです。一方、ローカル言語を用いた広告出稿が可能である場合には、英語でのケースと比較し広告費が低く抑えられることで、効率的な広告活動が行える可能性が十分にあります。

なお、英語圏以外の国(例えばタイ)で広告を行う場合には、その当該国で主要言語として用いられるローカル言語(つまりタイ語)を用いた広告出稿を行うことをお勧めいたします。英語圏でない国で英語を用いた広告出稿を行うことは、費用の割に広告効果が少ない場合が多く、お勧めできません。
一方、もし言語の面などで海外のパートナー企業(現地代理店等)の協力を得ることができれば、中小企業においても英語圏以外の国々で、ローカル言語での広告出稿を行うことは十分可能であると思われます。