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ポリプロピレン(PP)の中国相場動向(2018年8月3日~8月9日)

今週の中国石油化学企業のPP販売価格(単位:RMB/MT)

メーカー 地域 種類 前週価格 今週価格 先週比
SINOPEC 華北 糸引き 9200-9750 9700-10150 +500/+400
共重合 10150-10400 10750-11000 +600/+600
華東 糸引き 9500-9750 9900-10150 +400/+400
共重合 10550-10700 11150-11300 +600/+600
華南 糸引き 9450-9800 9900-10300 +450/+500
共重合 10600-10700 10850-11500 +250/+800
PETRO CHINA 華北 糸引き 9450-9550 9950-10050 +500/+500
共重合 10300-10900 10900-11600 +600/+700
華東 糸引き 9550-9650 10000-10100 +450/+440
共重合 10600-11000 11000-11600 +400/+600
華南 糸引き 9500-9600 10000 +400
共重合 10400-10900 11000-11800 +600/+900
分析:
※価格は、2018/8/9日17:00時点の情報にもとづく。
※今週(8月3日~8月9日)は、各石油化学企業の稼働率は、90.8%を維持していた。現在、各企業の在庫量は、中レベルであり、供給面の圧力は小さい。今週、先物の相場が急騰したため、現物の成約価格へ影響が出て、RMB400―600/MT値上がりした。

中国PP顆粒在庫推移表(単位:RMB/MT)

各大手石油化学企業の在庫量は、先週より2.25%増、トレーダーの在庫量は、先週より10.97%増、全般的な在庫量は、先週より4.03%増。メーカーの値上がりによって、トレーダーの仕入れが消極的。実際需要がない限り在庫補充を行ってない状況である。先物の相場が急騰したので、トレーダーの中では、まだまだ価格があがると楽観視しており、在庫量が充足している。来週、在庫量は、引続き小幅に増えると予測している。

今週の中国国内PP販売(単位:RMB/MT)

地域 種類 プレート番号 生産企業 市場 先週価格 今週価格 増長幅 変動率
東北 糸引き L5E89 撫順 瀋陽 9650 10050 400 4.15%
共重合 EPS30R 大慶煉化 瀋陽 10550 10800 250 2.37%
華北 糸引き L5E89 神華包頭 臨斤(三水の辺) 9700 10000 300 3.09%
共重合 EPS30R 大慶煉化 臨斤(三水の辺) 10700 11200 500 4.67%
K8303 燕山石化 北京 10600 11150 550 5.19%
華東 糸引き T30S 中油 上海 9650 10050 400 4.15%
L5E89 中煤楡林 杭州 9630 10050 420 4.36%
共重合 K8003 独山子 余姚 11100 11700 600 5.41%
華南 糸引き T30S 福建聯合 厦門 9700 10200 500 5.15%
T30S 茂名石化 順徳 9950 10050 550 5.53%
共重合 EPS30R 茂名石化 順徳 10850 11600 750 6.91%
分析:
※価格は、2018/8/9日17:00時点の情報にもとづく。

今週のPP市場価格推移表(単位:RMB/MT)

先物高騰及び各大手石油化学企業の値上げの影響により、今週、中国国内PP販売価格は、先週比RMB400-600/MT高の大幅値上げとなった。これにより各メーカーの在庫量が増えている。現物価格は、高止まりしており、川下の仕入れを抑制している。特に、中小バイヤーの価格抵抗が強烈。トレーダーより「水曜日以後、実際の成約量が減少」との話あり。木曜日(8月9日)まで、糸引きの主流価格は、RMB9,950-10,150/MT、共重合の主流価格は、RMB11,050-11,650/MT。

(青色:糸引き、茶色:共重合)

今週のアジアPP顆粒市場価格の比較(単位:USD/MT)

地域 種類 最低価格 最高価格 今週平均価格 先週平均価格 増長率
CFR極東 糸引き 1219 1221 1220 1200 +20
射出成形 1219 1221 1220 1200 +20
IPP膜 1229 1231 1230 1210 +20
BOPP膜 1239 1241 1240 1220 +20
共重合 1269 1271 1270 1240 +30
CFR東南アジア 糸引き 1239 1241 1240 1230 +10
射出成形 1229 1231 1230 1220 +10
IPP膜 1259 1261 1260 1250 +10
BOPP膜 1269 1271 1270 1265 +5
共重合 1279 1281 1280 1275 +5
CFR南アジア 糸引き/射出成型 1279 1281 1280 1265 +15
IPP膜 1269 1271 1270 1260 +10
BOPP膜 1299 1301 1300 1280 +20
共重合 1309 1311 1310 1285 +25
分析:
※価格は、2018/8/9日17:00時点の情報にもとづく。

アジアのPP顆粒市場価格推移図(単位:USD/MT)

メーカーの操業率は低く、在庫量が急減、供給不足の基調の中で、アジアPPの市場価格は、値上がりした。現在、東南アジアと南アジア地域の糸引きニーズが好調、特にセメント梱包袋用の需要が旺盛。インドでは供給不足の状況は、年末まで続くとの予想、但し来年、インドの新規PP装置の稼働開始に伴い、供給不足は今後改善される見込み。最近、中国製PPは、海外向けに輸出ガ多くて、特にラテンアメリカ向けが伸びている。その他、韓国のS-Oilプロジェックトは、8月中旬から新規40万MT/年間のPP装置を起動する予定がある。

来週、中国PP市場の予測

1.市場影響要因

(1)PP原料価格の値上がり基調は継続中であり、各メーカーも販売価格を値上げしている。貨物供給は充足している。
(2)国内複数メーカーが装置のメンテナンスを行っており、歩留まりに影響を与えている。
(3)各メーカーの在庫量が小幅に増えている。
(4)中小バイヤーの仕入れが落ちている。値上がりに対する抵抗がありそう。

2.来週への市場予想

PP製造原料のアクリル(propylene)とPP先物の価格は、引き続き値上がりすると思われる。各石油化学大手企業の価格は、高止まりしており、川下中小バイヤーより価格に対して抵抗感がある。実需に合わせて仕入れを行っているので、来週のPP相場の変動幅は大きくない、RMB100/MT以内の見込み。

中国相場情報:工業原材料の市場動向および価格情報

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