貿易をしているとコマーシャルインボイス(Commercial Invoice)やプロフォーマインボイス(Proforma Invoice)という言葉を耳にすることがあります。

そもそもインボイス(Invoice)とは何でしょうか?

辞書で調べると『送り状』『取引貨物の明細書』『請求書』と書いてあります。日本語だと意味がピンとこない場合は、英英辞書を見ると理解しやすくなります。

Invoice:
A list of goods sent to a purchaser with details of prices, quantity, charges etc
※Obunsha SENIOR English Dictionaryより

つまりインボイスは『商品の価格、数量や請求額などが記載されたリスト』の事であり、渡す相手よって送り状、取引貨物の明細書、請求書など呼び方が変わる書類なのです。

インボイスの意味が分かったところで、本題であるコマーシャルインボイス(Commercial Invoice)とプロフォーマインボイス(Proforma Invoice)の説明に入ります。

コマーシャルインボイス(商業送り状)

英語ではCommercial Invoice、中国語では商业发票/商業發票(shāng yè fā piào)と呼ばれています。

コマーシャル(Commercial)は『商売の』『商業の』という意味ですので、コマーシャルインボイスは『商売で使う価格明細書』という意味になります。

コマーシャルインボイスには、貨物の品名、数量、価格、支払条件、買主名、売主名が記載されており、買い主(輸入者)へ送る場合は、請求書として使われます。

また、貨物の決済代金を示す証明書になるため、輸入国の税関において課税価格の計算をする為の価格明細書として使われます。

EMSやDHLなどを使い海外に荷物をおくる際に「インボイスを添付してください」と求められますが、このインボイスはコマーシャルインボイス(Commercial Invoice)を意味します。

ちなみに、実際の契約金額より低い金額をCommercial Invoiceに記載して輸入時の申告価格を少なくすることは、アンダーバリューと呼ばれる違法行為です。悪質な場合は、罰則を受けることになります。

プロフォーマインボイス(仮り送り状)

英語ではProforma Invoice、中国語では形式发票/形式發票(xíng shì fā piào)と呼ばれています。

プロフォーマ(Proforma)はあまり馴染みのないことばですが、辞書を引くと『形式上の、仮の』と訳されています。つまりプロフォーマインボイスとは形式的な価格明細書ということです。

プロフォーマインボイスには、貨物の品名、数量、単価、トータル価格、支払条件、梱包形態、納期、買主名、売主名などを記載します。

プロフォーマインボイスは、製品の価格など取引条件を確定し注文を受けた後、正式契約を締結する前に、売り主(輸出者)が取引内容の証明(再確認)のために買い主(輸入者)に送る書類です。

正式な契約書を取り交わさない場合は、このプロフォーマインボイスが正式契約書の代わりとなります。

通常、商用貨物の通関に使用されるものではありません。