海外ビジネスをしていると時々「RoHS」「REACH」「SVHC」という言葉を耳にします。

ヨーロッパが行っている製品に使われる原材料に関するルールという事は何となく理解しています。しかし、それぞれの違いは何か?と問われるとよく分からないため自分の勉強のために調べてみました。

RoHS、REACH、SVHCの違いとは?

まず初めに「RoHS」「REACH」「SVHC」は、どれも製品の中に含まれる有害物質を制限する規則であるということは理解しておく必要があります。

では何が違うかというと「RoHS」はエレクトロニクス製品のみを規制対象としていますが、「REACH」と「SVHC」は雑貨・衣類・家電・車・成型品・梱包材などす形ある全ての製品が対象となっています。

次に「REACH」「SVHC」の違いについて述べたいと思います。

実は「SVHC」は「REACH」に属しています。もっと詳しく言うと「REACH」は認可対象物質が規定されており、「SVHC」は将来そのREACH規制対象物質になる可能性がある候補物質を意味します。

「RoHS」、「REACH」、「SVHC」の詳細については以下をご参考ください。

RoHS、REACH、SVHCについて

RoHS(ローズ)

RoHSとは何?

RoHSは、Restriction of Hazardous Substances Directive(特定有害物質使用制限指令)の略称です。

分かりやすく言うとヨーロッパ連合(以下本文ではEU)が定めたエレクトロニクス製品内の有害物質使用制限のことです。

アドバイザー
RoHSのスペルは「o」だけが小文字です。花の薔薇(ROSE)とは全く違うスペルです。

私たちは、生活のなかでパソコン・スマートフォン・デジカメ・スマートウオッチ・液晶テレビなどさまざまなエレクトロニクス製品を使っています。

RoHSはこれらエレクトロニクス製品で使用される半導体などの部品に人体に有害な化学物質を使用しないよう規制しています。

RoHSが正式に施行されたのは2006年7月1日です。

当時、RoHSの規制対象は当初6物質でしたが、2019年7月22日にフタル酸エステル系の4物質が追加され現在は10物質です。

ちなみに、最近RoHS適合マークを付けた製品を見る事がありますが、2021年4月時点RoHSに公式の適合マークはありません。製品にCEマークが入っていれば、RoHS指令をはじめとしたEMC指令、LVD指令等の規制に適合していることを意味します。

アドバイザー
フタル酸エステル系の4物質は、食品パッケージ・おもちゃ・ビニールフロア・接着剤・洗剤・潤滑油、ヘアスプレー・医療用品などで使われる化学物質です。ポリ塩化ビニルなどを柔らかくしたり加工しやすくする添加剤の役割があります。大量に摂取するとホルモンレベルの変化と出生異常を引き起こす可能性があります。

RoHS規制10物質

  1. 鉛(Pb/Lead)
  2. 水銀(Hg/Mercury)
  3. カドミウム(Cd/Cadmium)
  4. 六価クロム(Cr+6/Hexavalent Chromium)
  5. ポリ臭化カビフェニル(PBB/Polybrominated Biphenyls)
  6. ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE/Polybrominated Diphenyl Ethers)
  7. 【追加】フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP/Di(2-ethylhexyl)phthalate)
  8. 【追加】フタル酸ジブチル(DBP/Dibutyl phthalate)
  9. 【追加】フタル酸ベンジルブチル(BBP/Butyl Benzyl phthalate)
  10. 【追加】フタル酸ジイソブチル(DIBP/Diisobutyl Phthalate)

規制対象となった10の化学物質は原則使用禁止です。しかし原材料の不純物としてごくわずかの量が含まれることは許されています。具体的な最大許容濃度は、カドミウムが重量比で0.01wt%(100ppm)、其の他0.1wt%(1000ppm)です。

アドバイザー
【wt%】は重さで考えたときの濃度のことです。

REACH(リーチ)

REACHとは何?

REACHは、Registration(登録),Evaluation(評価), Authorisation and Restriction (許可と制限)of Chemicals(化学物質)の頭文字をとって名付けられました。

人の健康や環境保護に影響を与えるEU内で使用される製品の化学物質を管理するための2007年6月に施行されました。物質の登録や法令の告知は、EUが設置した専門機関である欧州化学物質庁(通称:ECHA)が行います。

REACHは、EU加盟国で作られたあらゆる製品に適用されますが、EU域外から輸入される製品についても登録・評価が要求されます。そのため、EU域内へ輸出する日本企業も同規則を遵守する義務があります。

REACHの認可対象物質

REACHの認可対象物質は、REACH規則付属書14(Annex XIV)に記載されており2021年4月27日時点で54物質あります。認可対象物質は、原則使用禁止です。もし使用するには用途ごとに認可申請を行う必要があります。

認可対象物質の詳細は下記ECHAサイトをご確認下さい。

https://echa.europa.eu/authorisation-list

またREACH規則の詳細を知りたい方は下記環境省のサイトをご参照ください。

https://www.env.go.jp/chemi/reach/reach.html

なお将来認可対象物質となる可能性がある候補物質は、SVHCとして公開されており現在211項目が登録されています。

SVHC

SVHCとは何?

SVHCは、Substances of Very High Concern(高懸念物質)の頭文字をとって名付けられました。

分かりやすく言うと欧州化学品庁(ECHA)が特別に注視している、人や環境に危険を及ぼす懸念が高い物質リストのことです。

EUへ製品を販売する場合、前述のREACHとよばれる化学物質の登録・評価・認可および制限に関わる規則に準拠する必要があります。REACHの認可対象となった物質は付属書14に記載され、最悪EUに販売できなくなる可能性があります。

SVHCは、このREACH認可対象の前段階にあたる認可対象候補物質のことであり、候補リスト(Candidate List)とも呼ばれています。

SVHCは、REACH認可対象物質ではないため、SVHCに記載された物質が製品に含まれていても納入拒否されることはありません。

しかし、EU域内で製造または輸入される成形品中にSVHCリストの物質を一定量以上含有している場合は、情報伝達の義務が生じます。

SVHCの対象物質

SVHCは通常年2回改正されており、2021年4月末時点では211項目あります。

SVHC対象物質211項目の詳細は下記ECHAサイトをご確認下さい。

https://echa.europa.eu/candidate-list-table

EU/ヨーロッパ連合/欧州連合

ヨーロッパを中心に加盟する政治経済同盟、2021年4月時点では27か国、総人口約4億4700万人。
【EU加盟国】
アイルランド・イタリア・エストニア・オーストリア・オランダ・キプロス・ギリシャ・クロアチア・スウェーデン・スペイン・スロバキア・スロベニア・チェコ・デンマーク・ドイツ・ハンガリー・フィンランド・フランス・ブルガリア・ベルギー・ポーランド・ポルトガル・マルタ・ラトビア・リトアニア・ルーマニア・ルクセンブルク