中国の最高権力者である習近平国家主席は、中国共産党の「総書記」です。

そもそも「書記」とは何か?

あらためて辞書で調べてみると「記録を取ること。記録をとる役職。」との説明があります。よって「総書記」は、記録係のとりまとめ役ということです。

英語においても総書記はそのまま直訳されており「General Secretary」です。

日本の国会にも速記者と呼ばれる書記がいます。

速記符号という記号用いて会議の内容を迅速かつ正確に記録する専門職であり、誰でもできる仕事ではありません。

しかし、国のトップが就任するほど書記に権力はありません。

北朝鮮の第2代最高指導者である金正日総書記、ソビエト連邦の最高指導者ゴルバチョフ書記長など社会主義の国ではトップが書記に就任することが多くあります。

ちなみに日本共産党も書記局長というポストがあり、幹事長に相当します。

なぜ最高権力者が「書記」の役職なのでしょうか?

一つの説として、国家の大事を決める会議において記録を残すことは、その国の歴史を作るということと等しいため「書記」が権力の象徴になったという話があります。

しかし、古代ならいざしらず、録音や録画技術が発達した現代では、書記という仕事が政治的に力を持っているとは思えません。

中国の共産党新聞の説明によると、中国共産党が設立された当時「書記」は最も小さな官職であり、今日でいう文章書記または秘書に該当する役職だったそうです。

最も小さな官職に最高権力者が就任した理由は、中国共産党の決意を表していると言われています。

旧社会における官僚たちの不正や人民に対する抑圧から決別した新しい政党ということを国民に示すため、あえて党の最高指導者が小さな官職である書記の長、つまり総書記に就任したのです。

ただし、中国を建国した毛沢東は「主席」、史上初の社会主義国家であるロシア・ソビエト共和国を樹立したレーニンは「議長」であり、総書記という役職は使いませんでした。

書記というポストが使い始めたのは、建国者以降の最高指導者です。

書記という役職は、国民への決意表明以外に、偉大な建国の父への敬意と遠慮があるのかもしれません。