国家戦略の新エリア雄安新区って何?

雄安新区(Xiongan New Area)と聞いてもピンとこない人が多いと思います。ここは、中国の国家主席である習近平氏が、今最も力をいれている新しいビジネスエリアです。設立は、いまから一年前の2017年4月1日、場所は北京市から約100キロ南に行った、人口約100万人の中国河北省保定市です。

日本でも昔、地方に新興工業地帯がたくさん作られた時代がありましたが、この雄安新区はスケールが桁外れで総面積は、なんと2,000km²もあります。東京都の面積が2,188 km²ですから、まさに地方に新しい都市を作るような一大国家プロジェクトです。

中国はこれまで、鄧小平時代に深セン経済特区、江沢民時代には上海浦東新区といった経済新区の立ち上げに成功してきました。習近平時代になり、深セン、上海浦東に続く、第三の経済エリアとして選ばれたのが、この雄安新区(Xiongan New Area)なのです。習近平政権は、この雄安新区をハイテク企業の一大集積地とする計画であり、国家の威信をかけて成功させるつもりです。既に北京市-北京空港-雄安新区を30分で結ぶ高速鉄道(総距離92.4キロ)の建設にも着手しており2020年に開通予定です。

雄安新区の企業

雄安新区は、一年間で48社のハイテク企業が入りました。48社が多いか少ないかは別として、時代をリードしている大手企業、阿里巴巴(ALIBABA)、腾讯(TENCENT)、百度(BAIDU)、中国電信(CHINA TELECOM)、中船重工(CSIC)が、なにも無かった地方の町である雄安新区に会社を設立したのは、習近平政権への期待があるのだと思います。
因みに、雄安新区48社の内訳は、金融サービス企業が15社、情報技術企業が14社、先端テクノロジー研究所が7社、環境ビジネス企業が5社、その他ハイテクサービス企業が7社となっております。企業形態は、国営企業は19社、民間企業が21社、その他が8社です。雄安新区がどのように変化していくのか楽しみです。

参照:2018年04月01日 央视新闻 【雄安新区设立一周年 这座城都有哪些大动作?】より