従来、製品カタログと言えば紙媒体を意味していました。
その後CDやDVDによる物理的なものからインターネットへの普及を経て、カタログは次第に紙媒体からデジタル媒体に変わりつつあります。

それぞれのユーザーの好みもあるので、カタログについて紙媒体とデジタル媒体のどちらが良いかを一概に語ることはできませんが、紙媒体の良さは既に十分に認知されているでしょうから、ここではデジタル媒体の利点を列挙したいと思います。

デジタル媒体の12の利点

1.どこでも見れる

重い物理的なカタログを常に持ち歩かなくても、デジタル媒体であれば、ユーザーはPC、スマホ、タブレット等を使い、どこにいてもカタログの利用が可能となります。

2.検索性に優れる

多くのデジタル媒体では、データベースと絞り込み機能などを用いて、ユーザーが簡単に欲しい製品にたどり着けるような検索が可能です。

3.データなどのダウンロードが可能

デジタル媒体では、必要に応じCAD図面などのダウンロードが可能です。紙媒体ではこのようなことは一切出来ません。

4.運送、梱包費用がかからない

紙媒体のカタログを数百部〜数千部単位で、印刷所、日本本社、海外拠点(海外代理店)間で移動させるための送料や梱包費は大きなものとなります。また個別のエンドユーザーにカタログを郵送する際のコストも小さくはありません。
一方、デジタル媒体のカタログであれば、これらの費用を要することはありません。

5.保管費用が要らない

例えば数千部単位のカタログを保管する場合、保管費用(又は自社の保管場所)が必要となりますが、デジタル媒体の場合、この費用はほぼゼロとなります。

6.印刷費用がかからない

例えばデジタル媒体のカタログがPDFであった場合、カタログ制作用のソフトウェアでPDFに書き出せば、ほぼ作業は終了となり、印刷会社での紙への印刷が不要となります。

7.ミスプリントが起きた場合の修正が簡単

紙媒体でミスプリントが発見された場合、カタログ自体の修正はできず、差し替え用のページの追加や修正用のシールなどで対応せざるを得ません。一方、デジタル媒体であれば修正は容易です。

8.新製品の追加が簡単

紙媒体の場合、印刷後に新製品が発売された際、刷り上がったカタログ自体を更新することはできません。デジタル媒体であればミスプリントの場合と同様、修正は容易です。

9.環境にやさしい

紙媒体の場合、大量の紙資源を消費しますが、デジタル媒体の場合はこの限りではありません。

10.廃棄コストが不要

紙媒体の場合、カタログのバージョンの更新や製品の販売中止、大幅な仕様変更などでカタログが不要になった場合、廃棄コストが生じますが、デジタル媒体の場合はこの限りではありません。

11.PDFが欲しい人は、多い

海外においてはPDFで構成されたカタログを望むユーザーがある程度存在します。当然ですが、デジタル媒体の場合、PDFへの書き出しは容易です(又は元々PDFできたカタログもある)。

12.多言語への展開が進めやすい

カタログを多言語化する場合、カタログ1部あたりの印刷コストを抑えるため、通常、各言語ごとにある程度まとまった量の印刷部数が必要となります。
ところが多くのケースでは、マイナー言語(例えば英語と比べた際のベトナム語)のカタログ消費量は少ない傾向にあり、この場合、マイナー言語のカタログを一定量発注すると、さばき切れず、大量のカタログの死蔵在庫が生じる可能性が高まります。
デジタル媒体の場合、そもそも印刷自体を行わないので、このリスクを避けることは容易となります。

まとめ

紙媒体のよさはもちろん認められるところですが、デジタル媒体にも上記のような優位性が多々あり、現在社会のデジタル化への流れを見る限り、早かれ遅かれ多くの紙媒体カタログがデジタル媒体カタログに変っていくことなりそうです。