中国政府(国務院)および台湾政府(行政院)が発表した2022年の祝日休日をカレンダーにしました。
同じ中華圏でありながら中国と台湾の休日は微妙に異なっています。ビジネスをしている人は特に注意が必要です。
日本と異なり中国と台湾では祝祭日や年間行事を昔の暦で祝います。この昔の暦を「旧暦」または「農歴」と呼びます。英語で書くとChinese Calender(中国のカレンダー)です。
中国と台湾の祝祭日早見表
2022年 中国の祝祭日
- 元旦:1月1日(土)~1月3日(月)/計3日間
- 春節:1月31日(月)~2月6日(日)/計7日間
- 清明節:4月3日(日)~4月5日(火)/計3日間
- 労働節:4月30日(土)~5月4日(水)/計5日間
- 端午節:6月3日(金)~6月5日(日)/計3日間
- 中秋節:9月10日(土)~9月12日(月)/計3日間
- 国慶節:10月1日(土)~10月7日(金)/計7日間
2022年 台湾の祝祭日
- 中華民国開国記念日:1月1日(土)/計1日間
- 農歴除夕(大晦日):1月31日(月)/計1日間
- 春節:2月1日(火)~2月3日(木)/計3日間
- 国民休暇:2月4日(金)/計1日間
- 和平記念日:2月28日(月)/計1日間
- 児童節(清明節):4月4日(月)/計1日間
- 掃墓節(清明節):4月5日(火)/計1日間
- 労働節:5月1日(日)/計1日間
- 端午節:6月3日(金)/計1日間
- 中秋節:9月9日(金)~9月10日(土)/計2日間
- 国慶節:10月10日(月)/計1日間
休日情報の参照元
中国:2021年10月25日発表【国务院办公厅关于2022年部分节假日安排的通知】
台湾:2021年5月28日発表【中華民國 111年(2022年)政府行政機關辦公日曆表】
2022年 中国と台湾の祝日休日カレンダー
■赤色が中国の祝祭日 ■青色が台湾の祝祭日
祝祭日の詳細(由来など)
元旦(yuán dàn)
※2022年の元旦休み
中国:1月1日(土)~1月3日(月)/計3日間
台湾:1月1日(土)/計1日間
英語では”New year’s holiday”と言います。
中国や台湾では、西暦1月1日の元旦が新年ではありません。よって日本のように大型連休になりません。
ちなみに“元(yuán)”は「始まり」、“旦 dàn”は「朝」の意味があります。
また、台湾では1912年1月1日に孫文が南京で中華民国の建国宣言をしたことから元旦ではなく開国記念日と呼ばれています。
中国では日常生活に西暦を採用していますが、台湾は「民国○○年」と呼ばれる日本に似た独自の暦があります。ちなみに中華民国が成立した1912年が民国元年であり、2022年は民国111年です。
春節(chūn jié)
※2022年の春節休み
中国:1月31日(月)~2月6日(日)/計7日間
台湾:2月1日(火)~2月3日(木)/計3日間
英語では”Lunar New Year”、”Chinese New Year”、”Spring Festival”と言います。
中国人にとって”春節”が本当の新年です。古い暦の正月という意味で「旧正月」とも呼ばれています。
旧暦の1月1日は、二十四節気の一つである雨水(うすい)直前の新月(朔日/さくじつ)であり、毎年変わります。
春節の期間、中国では春運(チュンユン)と呼ばれる民族大移動が発生します。
物流業者も休むのでビジネスをしている方にとって注意が必要です。
また2022年の春節は、中国と台湾で休みが1日ずれています。
清明節(qīng míng jié)
※2022年の清明節休み
中国:4月3日(日)~4月5日(火)/計3日間
台湾:4月4日(月)~4月5日(火)/計2日間
英語では”Tomb-sweeping Day”、”Qingming Festival”と言います。
”Tomb Sweeping festival”とは”お墓掃除の祭日”という意味です。
清明節は中国4大伝統祭日の一つです。
二十四節気の一つである春分から15日目の清明(せいめい)は、日本のお彼岸やお盆のように家族そろって先祖の墓参りに出かけます。
ちなみに台湾では清明節のことを掃墓日(sǎo mù jié)「墓掃除日」と呼びます。
労働節(laó dòng jié)
※2022年の労働節休み
中国:4月30日(土)~5月4日(水)/計5日間
台湾:5月1日(日)/計1日間
英語では”Labor Day”と言います。
中国の労働節は、1949年に「全国祝日及び記念日休暇弁法」により定められました。
中国と異なり台湾の労働節は例年5月1日だけです。
端午節(duān wǔ jié)
※2022年の端午節休み
中国:6月3日(金)~6月5日(日)/計3日間
台湾:6月3日(金)/計1日間
英語では”Dragon Boat Festival”、”Duanwu Festival”、”Double Fifth”と言います。
中国4大伝統祭日の一つです。2008年から中国の法定祭日となりました。
中国では、端午節に粽(ちまき)を食べますが、これは屈原(くつげん)という人を弔う行為といわれています。
屈原は、中国戦国時代の愛国心のある政治家であり詩人でした。しかし優秀であるために周りから妬まれてしまい嵌められて失脚します。
その後、祖国楚の首都が秦により陥落したと聞いた屈原は、祖国の将来に絶望し石を抱いて長江支流の汨羅江(べきらこう)で入水自殺します。亡くなった日が、旧暦の5月5日であり現在の端午節にあたります。
粽(ちまき)を食べるのは、人々が入水自殺した屈原の無念を鎮め、また亡骸を魚に食べられないようにするために、魚の餌として笹の葉にご飯を包んで川に投げ込むようになったからと言われています。
また、端午節にはドラゴンボートレースが行われたりもします。これも屈原を助けにいくために漁師が船を漕ぐことを意味しているとの説があります。
ちなみに端午節の”端duān”は、始まりや起点を意味する開端kāi duān、”午wǔ”は旧暦(中国では農歴と言います)の5月のことを意味します。
古代中国では、各月を十二支(じゅうにし)で表しており、寅(1月)・卯(2月)・辰(3月)・巳(4月)・午(5月)・未(6月)・申(7月)・酉(8月)・戌(9月)・亥(10月)・子(11月)・丑(12月)でした。
このような暦の数え方は、干支暦(かんしれき)とも呼ばれており、干支暦においては、寅(1月)-卯(2月)-辰(3月)が春、巳(4月)-午(5月)-未(6月)が夏、申(7月)-酉(8月)-戌(9月)が秋、亥(10月)-子(11月)-丑(12月)が冬となります。
旧暦の午月(5月)は、夏の真ん中にあたる月であり一年で最も日差しが厳しく暑さでのぼせやすい季節です。
古代中国では、5月5日を悪月悪日として魔除けを行う風習がありこれが本当の端午節の由来であるとも言われています。
中秋節(zhōng qiū jié)
※2022年の中秋節休み
中国:9月10日(土)~9月12日(月)/計3日間
台湾:9月9日(金)~9月10日(土)/計2日間
英語では”Mid Autumn Festival”、”Moon Festival”と言います。
毎年、旧暦(農暦)の8月15日に行われる名月を賞する中国の習俗です。中国4大伝統祭日の一つであり月餅やくだものを食べます。
仲秋月と書く場合もあります。
国慶節 (guó qìng jié)
※2022年の国慶節休み
中国:10月1日(土)~10月7日(金)/計7日間
台湾:10月10日(月)/計1日間
英語では”National Day”と言います。
日本でいう建国記念日です。
中国の国慶節は、北京天安門広場で毛沢東主席が中華人民共和国中央人民政府の成立を宣言した1949年10月1日のことです。
国慶節の時は首都北京で大規模な軍事パレードがおこなわれます。
ときどき勘違いしている日本人がいますが、台湾の国慶節は、辛亥革命が勃発した10月10日であり中国とは異なります。
辛亥革命とは、1911年孫文らが中心となって清朝を倒し、1912年に孫文を臨時大総統とする中華民国を樹立した革命のことです。
台湾和平記念日 (hé píng jì niàn rì)
※2022年の台湾和平記念日休み
台湾:2月28日(月)/計1日間
和平記念日は228記念日とも呼ばれています。
228事件は台湾で発生した内乱のことです。
第二次世界大戦後、台湾を統治していた日本軍の代わりに台湾に入ってきた中国国民党政府のやり方に不満を持った台湾人が2月28日に大規模な反乱を起こし、台湾全土で多数の死傷者を出した事件です。
台北市の駅から徒歩で20分くらい歩くと台北二二八記念館があります。
日本統治下から国民党統治に移る中で、人民たちがどのように翻弄されていったか学ぶことができます。