ウェブサイトを作る場合、テキスト以外のバナー、アイコン、ロゴ、写真、動画などについては、それ自体のデザインが必要となります。

そのため、もしウェブサイトの管理者が(業者などに丸投げせず)自らそれらの要素をデザインする、又は、多少なりとも自分で加工修正することができれば、ウェブサイト作りはより効率的に進み、コンテンツのクオリティも上がってくるでしょう。

上述の各要素の作成にはAdobe製のソフトウェアがよく使われます。

これから挙げる各種のソフトウェアは各業界のプロデザイナーが使用するレベルのものなので、機能が非常に多く操作も複雑に見えますが、もし自社のウェブサイト担当者がこのうちのいくつかの機能だけでも使いこなすことができれば、要素を自らデザインするという目的を達成することは十分可能となるでしょう。



バナーやロゴ、アイコン作りにはIllustrator(イラストレーター)

ウェブサイト向けとしては、装飾が施された文字やイラストをデザインし、バナーやアイコンを作る際に使われることが多い、描画を目的としたソフトウェアです。

文字とカメラで撮影しただけ画像のみで構成されるウェブサイトはほぼ皆無であるはずなので、実際のウェブデザインの場面では、自社内のデザイン担当者又はウェブデザイナーによって使用される頻度は非常に高いでしょう。

上述の通り、本来はプロ向けで、本格的に使うのであればそのスキル習得には長い時間や根気及び場数が必要であるはずですが、線を書いて塗る、図形を書いて重ね合わせる、文字フォントを選んで装飾する、画像やイラストのサイズを決めトリミングする、など直感的に操作できることも多いのでアマチュアでも直ぐに使えると思います。またIllustratorはカラーモードがRGBとなるウェブサイトだけでなく、CMYKとなる印刷物向けでも使えます。

写真の加工にはPhotoshop(フォトショップ)

ウェブデザインの場面ではIllustratorと並び非常に使用頻度が高い、画像編集ソフトです。ウェブサイトを作成する際には、以下のような場面でよく使われます。
•画像(写真)の明るさ、色合い、コントラスト、シャープネス(くっきり感)などの調整
•ノイズを消す、映りこんだ不必要な部分を消し去る、などの画像の加工
•人物、製品などの元画像からの切り抜き
一般的に企業のウェブサイトは高品質なイメージ感を求められるはずなので、美しい製品画像やバナーを作る際に必要となる元画像の加工はある程度必要となってくるでしょう。

他のソフトウェア同様、プロのようにソフトウェアの機能をフルに使いこなす必要はないはずですが、初歩的な使い方を覚えるだけでもレベルアップしたウェブデザインが実現できるでしょう。

Illustratorと比べた場合、使い方を全く学ばず感覚だけでPhotoshopを使うことは少々難しいかもしれませんので、初歩的なことだけでも書籍や簡単な講座で学ぶことができればベストでしょう。

Illustrator同様、Photoshopでもロゴやイラストのデザインができますが、慣れるまでは難しく感じられるかもしれません。

カタログやパンフレット作りにはInDesign(インデザイン)

カタログやパンフレットなど、主に複数ページとなる印刷物データを作成するためのソフトウェアで、企業のマーケティングとしては、製品カタログや製品パンフレット、会社案内などの作成によく使われます。

その他

その他の有名かつ便利なAdobe製ソフトウェアで、Adobe Creative Cloud(Adobe社と一括で契約するソフトウェアのパッケージ。現在の契約の主流)に含まれるものとしては、
•ウェブサイト作成用ソフトウェアのDreamweaver(ドリームウィーバー)
•動画編集用ソフトウェアのPremiere Pro(プレミアプロ)、After Effects(アフターエフェクト)
などが挙げられます。

まとめ

先に挙げたAdobeのソフトウェアがなければウェブサイトが作れないわけではありません。また、デザイン性の強いバナー、ロゴなどの制作はむしろフリーランサーなどその道を専門としている協力者に依頼した方がトータルのコスト面でも仕上がり面でもよいのかもしれません。

しかし、外注するにしても「外注先にどんなものを作って欲しいのか」を上手く伝えるには、ある程度これらのソフトウェアの性質を理解していれば打ち合わせがスムースに進むはずです。

またどんな仕事でもちょっとした手直しが必要になるケースも多いので、多少ウェブサイト管理者が自ら手直しができるスキルがあればよいと思います。