航空貨物運賃の計算方法について
航空貨物の運賃は、貨物の重さによって料金が決まります。もう少し詳しくいうと、重量逓減制(じゅうりょうていげんせい)を採用しており、運送する貨物の重量が重くなればなるほどKg(キログラム)当たりの単位運賃が安くなります。
下は、実際の運送会社が公表している航空貨物運賃です。1.0Kgの貨物だと運賃は7,080円になりますが、貨物が3.0Kgになったからといって運賃は3倍にはならず約1.59倍となり逓減(次第に減少)しております。
0.5Kg : 6,000円
1.0Kg : 7,080円
1.5Kg : 8,160円
2.0Kg : 9,240円
2.5Kg : 10,320円
3.0Kg : 11,270円
↓
15.0Kg : 21,670円
↓
20.0Kg : 24,970円
※出展:FEDEXの2017年1月2日発行の日本から中国、香港、台湾向けインタナショナルエコノミークラス運賃表
貨物の重さの決め方は、実重量と容積重量の2種類あります
では、重さが同じであれば、どんな箱に梱包しても運賃は変わらないのでしょうか?
答えは、NOです。実は、航空貨物の場合には、その貨物が占有するスペースを重さに換算する容積重量(VOLUME WEIGHT)という考え方があり、梱包を含む実際の貨物の重さである実重量(ACTUAL WEIGHT)と比較して、どちらか数字が大きい方を運賃適応重量(CHARGEABLE WEIGHT)に採用します。
容積重量の計算方法は、※IATA(国際航空運送協会)がルールを制定しておりますが、6,000立方センチメートル(cm3)を1キロとみなす場合と、5000立方センチメートル(cm3)を1キロとみなす場合があるので発送時には委託する運送会社に確認が必要です。
例えば、あなたがNet Weight(純重量)15Kgの製品を航空便で輸送するとします。その輸送会社の容積重量ルールは、5,000cm3あたり1Kgであった場合、梱包サイズがことなると、運賃適応重量は以下のように変わります。尚、段ボール等の梱包材の重さはサイズに関係なく1Kgとします。
1.製品を縦20cm×横40cm×高さ20cmの段ボールに入れた場合
実重量:製品純重量15Kg +梱包材重量1Kg = 16Kg
容積重量:20cm × 50cm × 20cm = 20,000cm3 ÷5,000cm3 = 4Kg
実重量の方が容積重量より大きいので、運賃適応重量は実重量である16Kgになります。
2.製品を縦40cm×横50cm×高さ50cmの段ボールに入れた場合
実重量:製品純重量15Kg +梱包材重量1Kg = 16Kg
容積重量:40cm × 50cm × 50cm = 100,000cm3 ÷5,000cm3 = 20Kg
実重量より容積重量の方が大きい為、運賃適応重量は、容積重量である20Kgになります。
前述の運賃レートによると、15Kgの運賃が21,670円で、20.0Kg が24,970円であり、一回り大きな箱で梱包したことによって、3,300円程、運賃が高くなります。皆さんもできるだけ、コンパクトで最適な梱包をし無駄な費用が出さないようにしましょう!
※補足:あくまで運賃の比較だけなので、特別取扱い料金や燃料割増料金は含まれておりません。
正式名称は、International Air Transport Association、日本語では国際航空運送協会(こくさいこうくううんそうきょうかい)といいます。IATAと書いてイアタまたはアイアタと呼ばれます。本社はカナダ・モントリオール。11945年に設立し、2017年5月現在、加盟航空会社は265社、IATA航空貨物代理店数は、10万社もある。主要業務は、航空会社の活動を支援及び業界の方針や統一基準制定など。