謎の赤い布
中国に行くと車のサイドミラー(ドアミラー)・バンパーまたはタイヤホイールに赤い布がくくり付けてあるのをよく目にします。
とくに新しい乗用車や大型トラックなどで多く見受けられます。
下の写真のようにきれいな赤い布をつけている車もあれば、風雨にさらされ色あせボロボロになった赤い布を付けている車もいます。
新車の納品?結婚式?それとも何かのメッセージ?
不思議に思ったので中国人に聞いてみました。
中国人にとっての赤色
乗用車や長距離トラックの運転手が赤い布を付ける理由は、何事もなく家に帰れますようにという一種の願掛けだそうです。
中国では赤色(红色hóngsè) は幸運をもたらすだけでなく魔除けの力を持つと考えられています。
中国の国旗は五星紅旗(ごせいこうき/Wǔxīng Hóngqí)と呼ばれ赤色です。
結婚式の祝儀袋や旧正月の時のお年玉(压岁钱yā suì qián)も红包hóng bāoと呼ばれる赤い封筒にお金を入れます。
また旧正月の際には幸運や財運の願いを込めて玄関に春聯(春联chūnlián)という赤色の紙を貼る習慣もあります。
日本人からするとバックミラーやタイヤホイールの赤い布は絡み付いて安全どころか運転の妨げになるようようにしか思えません。
しかし一部の中国人にとって車の赤い布は交通安全のお守りと同じ意味があるのです。
日本だと交通安全のお守りは神社などでお金を払って購入する必要がありますが、中国てはどこにでもある赤い布一枚で済みます。
お財布に優しい安全祈願だなあと感心していたら、インターネットで安全祈願用の赤い布通販サイトを見つけました。
何でもビジネスにつなげる中国人のビジネス魂に関心。
赤い布の効果
中国のドライバーの中には、赤い布をくくりつけた乗用車を見たら車間距離を空けるという人がいるそうです。
これは赤い布を付けた乗用車は新米ドライバーのが多く、急ブレーキや急ハンドルなどにより衝突事故に巻き込まれる可能性があるからです。
赤い布を付けることで周りの車が車間距離を空けるのであれば、交通安全にとって一定の効果?があるのかもしれません。