検索エンジン上でユーザーが行うオーガニック検索(自然検索)の「クリック」は、ウェブサイトの所有者の側から見ると完全に無料であり、また広告と比べ、オーガニック検索の結果に対するユーザーの信頼度は高い傾向にあります。
そのため、経営資源が限られた中小企業にとって、検索エンジンを通じ無料で世界中にリーチするためのSEOはウェブマーケティングの中でも中心的な取り組みとなっています。
今回はそのSEOの取り組みの中でも重要な「コンテンツ」につき考えてみたいと思います。
SEOは誰でもできる
他の記事でも触れましたが、SEOは決してSEO業者の専売特許ではなく、誰にでもできるものです。成功するために大事なことは、真面目にやり続けることだけ、と言っても過言ではありません。
SEOの極意はコンテンツ作り
SEOのコツはこれだけ、と言っても過言ではありません。
それ以外のSEOのノウハウは誰でも短時間でつかめるような簡単なものだけです(そもそもノウハウ自体が体系化されていない)。
ところでコンテンツとは直訳すれば「中身」のことですが、ここでもっと具体的に意味しているのは「ユーザーのためになるテキスト及び画像や動画」のことで、更に具体的に言えば、
・製品やサービスに関する技術的な情報
・製品やサービスの使い方
・製品やサービス、その他それらが属する業界に関するニュース、展望
のようなものを指します。
ここで強調したいのは、ここでの「製品やサービス」とは自社が提供する具体的なもののことではなく、それらが属する一般的なカテゴリーのことだ、ということです。
例えば自社の製品が「建築用塗料 xxx-100」であったとしたら、優良なコンテンツの題材となり得るのは「xxx-100」ではなく、「建築用塗料」の方です。
SEOでは、もうトリックは効かない
Googleなど検索エンジンの度重なる検索順位決定基準に関するアップデートによって、ブラックハットなどと呼ばれる、例えば大量のダミーのウェブサイトから検索順位向上を狙うウェブサイトへリンクを貼っていくような検索エンジンを欺くSEOは、既に通用しなくなっています。
また、そのような手法によってSEOを進めるSEO業者を見かけなくなってから既に久しいですが、この状況は真面目にSEOに取組む企業にとって非常に喜ばしいことであるとも言えます。何故かといえば、前述の通りユーザーが喜びそうなコンテンツを書くことだけがほぼ唯一のSEOの解であるとすれば、それが実行できるのはSEO業者ではなく、業界や製品を深く理解する自社しかないからです。
ひとつのテーマでコンテンツを構成する
Googleが検索順位の決定にあたりウェブサイトをどのように評価するかのアルゴリズムは公表されていません。
一方で、Googleはウェブサイト全体に一貫性を求めているように思われ、一貫したテーマを持ったウェブサイトをより高く評価していることは、ほぼ間違いありません。
そのため、例えば自社が建築用塗料のメーカーであれば、ウェブサイト全体のテーマを「建築用塗料」に絞り、そのテーマの中で製品、使い方、業界、などにつきコンテンツを作ることをお勧め致します。
ひとつの決まったテーマでウェブサイトを構成すれば、リンクで結ばれるページ間の意味的なつながりが強化され、もしそのテーマに関連するキーワードでユーザーが検索した場合には、各々のページは検索結果の上位に現れやすくなり、その傾向は同じテーマのコンテンツを投入すればするほど強化されます。
まとめ
更に具体的なSEOの手法は、追って別な記事で考えてみたいと思います。
ここで重要であるのは、SEOを一部のITのプロフェッショナルのみが扱えるもの、と考えないことです。
実態はその逆で、正しいコンテンツが書けるのは、そのコンテンツの対象となる製品やサービスの業界内にいるプレーヤー(ウェブサイトを運営する自社)だけです。
つまり、先ほどの例で言えば、SEO業者が建築用塗料について何らかの専門性の高い記事を書くことはできないということです。そのため、SEOのノウハウに乏しい中小企業といえども、全く臆することなく自社でのSEOに取組むことをお勧めいたします。