中小企業のウェブマーケティング担当者

経営資源が限られた中小企業にとって、ウェブの担当者を置くことは難しいことかもしれません。専任者となると、なおさらのことでしょう。

実際に、一人の従業員が“ウェブマーケティングの仕事”と“既存の仕事”を掛け持ちで進めることは恐らく困難な話であると思われ、それは、ウェブの仕事では創造性や新規性が求められることが多く、例えば「ネットユーザーに好印象を与えることができるウェブサイトのグラフィカルなデザインを考え」ながら「売上伝票の処理をしたり、見積書の作成をしたり」を並行して行うことは難しい、と表現すれば分かりやすいでしょうか。もっと簡単に言えば、両者の仕事で求められる脳の部位は違う、と思われるのです。(決して既存の仕事に創造性がない、と言いたい訳ではありません)

更に、ウェブマーケティングの仕事と既存の仕事を比べた場合、毎日の業務の中で緊急度が高いと感じられるのは恐らく後者の方で、例えば、ウェブ担当者に任命された従業員がウェブサイトに用いる画像の装飾をしている姿は、押し寄せる業務に対し忙しく働く他の従業員にとっては、のんびりとしたものに映るかもしれません。

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中小企業のウエブサイトのゴールとは?

中小企業にとってのウェブマーケティングは新しい販路の開拓であり、未来への投資でもあります。その為、既存の仕事に追われる毎日の中でそれを実行していく過程では、それ自体がどこかで無理・無駄に見えることもあるでしょうし、恐らく結果も直ぐには出ないと思われます。そのような中、当社が考える「中小企業の海外ウェブマーケティングに一番必要とされるもの」は、ITやウェブに関する技術的スキルのようなものではなく、その分野に対するトップの方の理解とリーダーシップにあります。

システム担当者とウェブマーケティング担当者

中小企業においては、ITという大きな括りの中で、社内のネットワークやサーバーを管理する「システム担当者の仕事」と「海外ウェブマーケティングの担当者の仕事」が混同されて扱われるシーンも多いかと思われます。しかしながら、共にデジタルを主戦場としつつも、双方の仕事に求められるスキルやセンスには大きな隔たりがあります。

システム担当者に主に求められるものはITの技術的スキルや問題解決能力である一方、ウェブマーケティングの担当者に求められるものは、あらゆるものを顧客目線で考えることができるセンスや、新規性への対応能力であると考えます。もちろん、双方の仕事で求められる能力を一人で全て持ち合わせている方もいらっしゃるとは思いますが、現実的には限られた人的資源で戦う中小企業にとって、それを期待することは難しいでしょう。

実際は「システム担当能力」か「マーケティング担当能力」の、どちらかを備えた従業員が、IT担当者としてそれらを含む全てを担当することになるケースが多いとは思われますが、まず重要なことは、これらの仕事を「異なるもの」として捉えることであると思われます。

代理店の活用とウェブマーケティング

ものづくりを行う中小企業がターゲットとなる国で販売を行うにあたり、その手法としてまず最初に候補にあげるのがパートナーとなる現地代理店の活用でしょう。この手法は直接投資となる現地法人設立などと比べ、多くの経済的負担が軽減でき、かつスピーディな販売展開を図ることができる、非常にスタンダードなものと言えるでしょう。

一方、近年ではインターネットの普及により、旧来のビジネス環境が大きく様変わりしており、今や中小企業であっても海外でのウェブマーケティングの分野において大きな成果をあげることが不可能ではなくなり、また、Eコマースの分野においても中小企業をサポートする多種多様な周辺サービスが生まれています。

そこで考えたいのが、当該ターゲット国での販売にあたり「代理店の設立が必須か」という問いです。

もし、
♦自社独自でウェブを活用し、海外にて効果的なブランディングができるのであれば
♦自社でEコマースサイトの立ち上げが可能で、海外への直接販売ができるのであれば
♦自社製品の顧客となる現地のエンドユーザーが、代理店ではなく自社との直接取引を望んでいるのであれば
当該国での販売開始に先立ち、まずは代理店を用いず、自社独自での直接販売を検討することも十分理にかなったものとなるでしょう。

一方、もし直接販売の可能性を残したまま、まず先に代理店を設立してしまうと、その後に直接販売を望むようになった場合、たとえその代理店が独占代理店でなかったとしても、その代理店との間に何らかの軋轢が生まれる可能性が生じます。
またウェブサイトなどを通じ直接販売をする場合「そのウェブサイトでの販売価格」と「代理店が独自に決定する代理店の販売価格」との間に差異が生じる場合があり、その場合にも何らかの軋轢が生じる恐れがあります。

上記の理由に加えて、代理店権というものの考え方が各国で異なることもあり、もし直接販売ができる可能性がある場合には、まずは代理店との販売契約を締結する前に、将来を見据え、どのような販売手法・当該国への進出手順が理にかなったものであるか、十分に検討することをお勧めいたします。