海を隔てた大国中国では、急速に産業が発達しております。なかでも産業ロボット、ドローン、電気自動車は驚くべきスピードで成長しております。
これからの日本企業は、価格だけでなく技術力でも中国と戦っていく必要があります。

2017年度の中国の産業別GDPについて

2018年1月18日、中国国家統計局が発表した経済報告によると2017年の中国国内総生産は82兆7,123億元(約1,424兆円)で前年比6.9 %増でした。

その内訳をみると、第1次産業は、6兆5,468億元(約113兆円)で前年比3.9 %増。第2次産業は、33兆4,623億元(約576兆円)で前年度比6.1 %増。第3次産業は42兆7,032億元(約735兆円)で前年度比8.0 %増でした。

中国国家統計局発表の2017年中国国内総生産

生産総額対前年比
第1次産業6兆5,468億元(約113兆円)3.9 %増
第2次産業33兆4,623億元(約576兆円)6.1 %増
第3次産業42兆7,032億元(約735兆円)8.0 %増
総合計82兆7,123億元(約1,424兆円)6.9 %増
第1次産業:
主に食材とその他の生物材料を生産する産業を指します。自然物を直接生産対象とする農業、林業、畜産業、水産業牧畜業が該当します。
第2次産業:
主に加工製造業のことを指します。自然物や第1産業で生産された材料を利用して加工処理を行う産業が該当します。
第3次産業:
第1、第2産業以外の業種のことで、交通運輸業、通信産業、商業、飲食業、金融業、建築業、教育産業、公共サービスなど非物質を生産する産業が該当します。

第1次,第2次,第3次産業は、非常に大きな単位であるため、この数値だけでは中国経済がどのように変化しているかについて分かりません。
よって、もう一歩踏み込んで業種別にGDP値を見る必要があります。

2017年中国トップ10業種のGDP値

下図は、国家統計局が発表している中国トップ10業種の生産額(GDP)の状況です。トップ10業種合計で中国総生産(GDP)の約85%になります。

生産総額対前年比
農林業・畜産業・漁業6兆8009億元(約117兆円)4.1 %増
工業
※製造業
27兆9,997億元(約482兆円)
※24兆2707億元(約418兆円)
6.4 %増
※7.0 %増
建築業5兆5,689億元(約96兆円)4.3 %増
卸売業・小売業7兆7,744億元(約134兆円)7.1 %増
交通運輸,倉庫業,郵便業3兆6,803億元(約63兆円)9.0 %増
ホテル・レストラン業1兆4,594億元(約25兆円)7.1 %増
金融業6兆5,749億元(約113兆円)4.5 %増
不動産業5兆3,851億元(約93兆円)5.6 %増
IT・ソフトウェア業2兆7452億元(約47兆円)26.0 %増
リース・商業サービス業2兆2,163億元(約38兆円)10.9 %増
他サービス業12兆5,072億元(約215兆円)7.1 %増
工業には、製造業以外に鉱業、ガス事業なども含まれます。

製造業は、現在もそして今後も中国経済の中核です。

2017年の中国GDP値82兆7,122億元(約1,424兆円)のうち、1番規模大きな業種は、製造業です。その生産額(GDP)は24兆2707億元(約418兆円)もあり、中国国民総生産の29.34%を占めております。

中国で2番目に大きな産業は、卸売業・小売業ですが、その生産額(GDP)は7兆7,744億元(約134兆円)で中国国民総生産の9.4%しかなく、トップの製造業の約32%しかありません。

このことから長期的な視点で考えても、製造業と肩をならべる産業は出てこないと考えられます。

2017年中国で最も急成長した製造業トップ6業界とは?

中国国家統計局の工業司長の報告によると、中国製造業で2017年にもっとも急成長した6業界は以下図の通りです。
これらの業界は、すべて前年度比30%以上成長しております。

急激に伸びている製造業のトップ6業界

対前年比
産業ロボット68.1 %
ドローン67.0 %
新エネルギー車51.1 %
都市鉄道車両40.1 %
リチウムイオン電池31.3 %
太陽電池等30.6 %

産業ロボット業界の成長率がダントツ1位となり技術力が急激に高まりました。

2017年の中国の産業ロボット業界は爆発的に増加しました。2015年には、中国国産産業ロボットの販売量は68,500台しかありませんでしたが、2016年には72,260台に増加しました。国家統計局のデータによると、2017年1~11月における中国国産産業ロボットの生産量は118,000台に達し、前年比68.80 %増となり年間生産量は12~13万台になると予想されております。

情報参照元:宁南山『2017年中国制造业发展简析』より