今週の中国石油化学企業のPP販売価格(単位:RMB/MT)
メーカー | 地域 | 種類 | 前週価格 | 今週価格 | 先週比 |
---|---|---|---|---|---|
SINOPEC | 華北 | 糸引き | 9200-9750 | 9700-10150 | +500/+400 |
共重合 | 10150-10400 | 10750-11000 | +600/+600 | ||
華東 | 糸引き | 9500-9750 | 9900-10150 | +400/+400 | |
共重合 | 10550-10700 | 11150-11300 | +600/+600 | ||
華南 | 糸引き | 9450-9800 | 9900-10300 | +450/+500 | |
共重合 | 10600-10700 | 10850-11500 | +250/+800 | ||
PETRO CHINA | 華北 | 糸引き | 9450-9550 | 9950-10050 | +500/+500 |
共重合 | 10300-10900 | 10900-11600 | +600/+700 | ||
華東 | 糸引き | 9550-9650 | 10000-10100 | +450/+440 | |
共重合 | 10600-11000 | 11000-11600 | +400/+600 | ||
華南 | 糸引き | 9500-9600 | 10000 | +400 | |
共重合 | 10400-10900 | 11000-11800 | +600/+900 | ||
分析: ※価格は、2018/8/9日17:00時点の情報にもとづく。 ※今週(8月3日~8月9日)は、各石油化学企業の稼働率は、90.8%を維持していた。現在、各企業の在庫量は、中レベルであり、供給面の圧力は小さい。今週、先物の相場が急騰したため、現物の成約価格へ影響が出て、RMB400―600/MT値上がりした。 |
中国PP顆粒在庫推移表(単位:RMB/MT)
各大手石油化学企業の在庫量は、先週より2.25%増、トレーダーの在庫量は、先週より10.97%増、全般的な在庫量は、先週より4.03%増。メーカーの値上がりによって、トレーダーの仕入れが消極的。実際需要がない限り在庫補充を行ってない状況である。先物の相場が急騰したので、トレーダーの中では、まだまだ価格があがると楽観視しており、在庫量が充足している。来週、在庫量は、引続き小幅に増えると予測している。
今週の中国国内PP販売(単位:RMB/MT)
地域 | 種類 | プレート番号 | 生産企業 | 市場 | 先週価格 | 今週価格 | 増長幅 | 変動率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
東北 | 糸引き | L5E89 | 撫順 | 瀋陽 | 9650 | 10050 | 400 | 4.15% |
共重合 | EPS30R | 大慶煉化 | 瀋陽 | 10550 | 10800 | 250 | 2.37% | |
華北 | 糸引き | L5E89 | 神華包頭 | 臨斤(三水の辺) | 9700 | 10000 | 300 | 3.09% |
共重合 | EPS30R | 大慶煉化 | 臨斤(三水の辺) | 10700 | 11200 | 500 | 4.67% | |
K8303 | 燕山石化 | 北京 | 10600 | 11150 | 550 | 5.19% | ||
華東 | 糸引き | T30S | 中油 | 上海 | 9650 | 10050 | 400 | 4.15% |
L5E89 | 中煤楡林 | 杭州 | 9630 | 10050 | 420 | 4.36% | ||
共重合 | K8003 | 独山子 | 余姚 | 11100 | 11700 | 600 | 5.41% | |
華南 | 糸引き | T30S | 福建聯合 | 厦門 | 9700 | 10200 | 500 | 5.15% |
T30S | 茂名石化 | 順徳 | 9950 | 10050 | 550 | 5.53% | ||
共重合 | EPS30R | 茂名石化 | 順徳 | 10850 | 11600 | 750 | 6.91% | |
分析: ※価格は、2018/8/9日17:00時点の情報にもとづく。 |
今週のPP市場価格推移表(単位:RMB/MT)
先物高騰及び各大手石油化学企業の値上げの影響により、今週、中国国内PP販売価格は、先週比RMB400-600/MT高の大幅値上げとなった。これにより各メーカーの在庫量が増えている。現物価格は、高止まりしており、川下の仕入れを抑制している。特に、中小バイヤーの価格抵抗が強烈。トレーダーより「水曜日以後、実際の成約量が減少」との話あり。木曜日(8月9日)まで、糸引きの主流価格は、RMB9,950-10,150/MT、共重合の主流価格は、RMB11,050-11,650/MT。
今週のアジアPP顆粒市場価格の比較(単位:USD/MT)
地域 | 種類 | 最低価格 | 最高価格 | 今週平均価格 | 先週平均価格 | 増長率 |
---|---|---|---|---|---|---|
CFR極東 | 糸引き | 1219 | 1221 | 1220 | 1200 | +20 |
射出成形 | 1219 | 1221 | 1220 | 1200 | +20 | |
IPP膜 | 1229 | 1231 | 1230 | 1210 | +20 | |
BOPP膜 | 1239 | 1241 | 1240 | 1220 | +20 | |
共重合 | 1269 | 1271 | 1270 | 1240 | +30 | |
CFR東南アジア | 糸引き | 1239 | 1241 | 1240 | 1230 | +10 |
射出成形 | 1229 | 1231 | 1230 | 1220 | +10 | |
IPP膜 | 1259 | 1261 | 1260 | 1250 | +10 | |
BOPP膜 | 1269 | 1271 | 1270 | 1265 | +5 | |
共重合 | 1279 | 1281 | 1280 | 1275 | +5 | |
CFR南アジア | 糸引き/射出成型 | 1279 | 1281 | 1280 | 1265 | +15 |
IPP膜 | 1269 | 1271 | 1270 | 1260 | +10 | |
BOPP膜 | 1299 | 1301 | 1300 | 1280 | +20 | |
共重合 | 1309 | 1311 | 1310 | 1285 | +25 | |
分析: ※価格は、2018/8/9日17:00時点の情報にもとづく。 |
アジアのPP顆粒市場価格推移図(単位:USD/MT)
メーカーの操業率は低く、在庫量が急減、供給不足の基調の中で、アジアPPの市場価格は、値上がりした。現在、東南アジアと南アジア地域の糸引きニーズが好調、特にセメント梱包袋用の需要が旺盛。インドでは供給不足の状況は、年末まで続くとの予想、但し来年、インドの新規PP装置の稼働開始に伴い、供給不足は今後改善される見込み。最近、中国製PPは、海外向けに輸出ガ多くて、特にラテンアメリカ向けが伸びている。その他、韓国のS-Oilプロジェックトは、8月中旬から新規40万MT/年間のPP装置を起動する予定がある。
来週、中国PP市場の予測
1.市場影響要因
(1)PP原料価格の値上がり基調は継続中であり、各メーカーも販売価格を値上げしている。貨物供給は充足している。
(2)国内複数メーカーが装置のメンテナンスを行っており、歩留まりに影響を与えている。
(3)各メーカーの在庫量が小幅に増えている。
(4)中小バイヤーの仕入れが落ちている。値上がりに対する抵抗がありそう。
2.来週への市場予想
PP製造原料のアクリル(propylene)とPP先物の価格は、引き続き値上がりすると思われる。各石油化学大手企業の価格は、高止まりしており、川下中小バイヤーより価格に対して抵抗感がある。実需に合わせて仕入れを行っているので、来週のPP相場の変動幅は大きくない、RMB100/MT以内の見込み。