中国のドローンメーカー最大手は、大疆創新科技有限公司です。
大疆創新科技有限公司は、DJIという社名で日本市場にも進出しており、いまや世界を代表するドローンメーカーの一社です。

一般の人がドローンと聞くと、カメラを搭載した回転翼型のドローンを思い浮かべる人が多いと思いますが、農薬散布用ドローン、宅配用ドローンなどでは、飛行機のような固定翼型のドローンもあります。

急成長が見込まれる宅配用ドローン

宅配用ドローン市場は、中国で急拡大すると見込まれております。

すでに、中国ネット通販2位の京東集団(JDドットコム)と中国民間宅配便大手の順豊速運(SF EXPRESS)が宅配用ドローン事業に参入しており、大型の回転翼ドローンや固定翼ドローンの開発を行っています。

順豊は、軍用でも使えそうな大型固定翼ドローンを開発し、2017年12月26日、雲南省の山奥にある中国通信大手会社『華為(HUAWEI)』の通信基地局基地局向けに機器の輸送実験を行いました。

日本の約25倍の国土面積がある中国は、世界一広範囲に通信ネットワークを構築している国といっても過言ではありません。

通信基地局に設置する機器は、重たいもので電池を含めると1トンを超えるといわれており、これまで、雷雨や暴風雨が頻繁に起きる山岳地帯の基地に重たい通信機器を運送することが困難でした。

無人でどこでも行けるドローンを使った輸送が実現すれば、華為(HUAWEI)の通信基地局運営が大幅にやり易くなります。

今回の実験は、華為(HUAWEI)の要求により行われましたが、中国には、陸路運送が困難な場所が多くあり、今後、無人で重量物を運べるドローンの需要は、急激に増えていくと思われます。

通信設備のテスト運送をおこなった順豊の大型固定翼ドローン。最大積載重量は1.2トン、翼の長さは20メートル、機体の長さは10メートル。

宅配用ドローンの機体価格は?

大型の宅配用ドローンの機体価格は幾らでしょうか?高級自動車であるフェラーリ―やランボルギーニよりも高いのでしょうか?

順豊速運集団の副総裁、豊鳥航空科学技術取締役社長の李東起氏によると、今回、雲南省の通信基地局への運送を行った大型固定翼ドローンの開発費は、1,000万元(約1億7,000万円)を超えたとのことです。

腾盾科技(軍需用無人機開発経験を持つ)や北京京潤華創科技を入れた共同開発のため、純粋な製作経費以外の費用も含まれていると思われますが、いずれにせよ商業用として利用するには、まだまだ高価です。

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宅配用ドローン各社の動向

現在、中国でドローンによる商業輸送に本格的に取り組んでいるのは、順豊と京東の2社とアリババ、DJIの動きは以下の通りです。

順豊速運(SF EXPRESS)

順豊のドローン事業部は、北京航空宇宙大学の無人飛行機システム工学科の博士など優秀な人材が在籍しておりますが、人数としてはまだまだ小規模で20数名しかいません。
2018年には、70名を超える予定です。

順豊は、ドローン事業部のさらなる拡大を目指しており、2014年にはドローンメーカーの深圳智航無人機有限公司の株式の30 %を取得しました。

順豊は、華為(HUAWEI)と共同でおこなった、通信基地局の設備運送以外にも、医療物資の輸送や災害地域の物資配達、鉱区の大型機械の補修部品運送も目指しております。
将来は、人民解放軍と一緒に戦争物資の輸送支援を行うかもしれません。

2017年9月、順豊は、江西省で全国初の無人機運営の試験拠点の許可を取得しました。江西省贛州(カン州)の一部の町では、すでにドローンを使った商業配送を行っています。

画像元:全天候科技サイトより

京東集団

京東は、陝西省、四川省の2省で巨大なドローンのネットワークを整備中であり、四川省には、今後185箇所のドローン空港を建設する計画です。

ドローンのネットワークが確立すれば、四川省のいかなる場所で生産された製品も24時間以内に中国全土に送り届けることが可能になります。

また、ドローン輸送により、中国農村の「最後の1キロ」と呼ばれる物流コストを50 %から70 %削減できると試算しております。
なお、京東はロータリープロペラのドローンを主力としながら、固定翼のドローンも発展させる計画です。

アリババ(阿里巴巴)グループ

2017年10月、アリババ傘下の物流企業菜鳥網絡科技有限公司(CAI NIAO)は、ドローンの実験を行いました。
しかし、菜鳥は、順豊と京東から一歩出遅れております。今後のアリババの動きには注目が必要です。

大疆創新(DJI)

ドローンメーカー最大手である大疆創新(DJI)は、小型回転翼ドローン(撮影用無人機)の製造がメインであり、毎月2万人以上の従業員が働いており、内1000名が高給ポストです。
DJI社は、中国で最も給料が高い製造業の一社になりましたが、同社の発展は、まだ始まったばかりです。

今後、大型回転翼ドローンや固定翼ドローンの開発に注力すると見込まれており、10年以内には、高給ポストの数が10倍に増えても不思議ではありません。

以上

情報参照元:宁南山『2017年中国制造业发展简析』より