そもそも原産地証明書とは何か?

海外と貿易をしていると時々、原産地証明書が必要になることがあります。これは、貨物が輸出国で製造されたことを証明する第三者が発行した書類のことで、英語ではCertificate of Originといいます。
第三者が発行すると述べましたが、当事者でなければ誰でも良いという訳ではなく、通常は輸出国の政府や公的機関、商工会議所が発行します。日本の場合、商工会議所が原産地証明を発行します。
因みに、例外として、日本とオーストラリア間の貿易においては2国間経済協定(日豪EPA協定)により、わざわざ原産地証明書を用意しなくても、当事者(生産者、輸出者、輸入者のいずれか)が原産品申告書を作成して提出すれば良いことになっております。
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原産地証明書はどのような時に必要となるか?

原産地証明は、輸出輸入どちらにおいても必要となる場合があります。では具体的にどんな時に用意するのかというと主に4つの場合があります。

1.輸入者として特恵関税または経済連携協定(EPA)の優遇税率適応を受ける場合

2.輸入国の法律や規則により船積書類として要求される場合

3.ワシントン条約など特定品目によって必要とされる場合

4.信用状(L/C)取引において、銀行買取時の添付書類として要求されている場合

因みに、日本においては、課税価格の総額が20万円以下の貨物を輸入する場合、原則通関への原産地証明書の提出は不要です。
また、原産地証明書の有効期限ですが、日本の法律(関税法施行令)においては、輸入申告の日において、原産地証明書の発給の日から原則としてその発行の日から一年以上を経過したものであってはならないとあります。
ときどき貨物が到着した日より1年前の証明書は有効であると勘違いしますが、正しくは輸入申告の日です。輸入通関などで海外から原産地証明書をもらう時は日付に注意しましょう。

関税法施行令

第六十一条 第一項一号
一  法第六十八条 の便益(次号の便益を除く。)を適用する場合 当該貨物が当該便益の適用を受ける外国(その一部である地域を含む。)の生産物であることを証明した原産地証明書(課税価格(数量を課税標準として関税を課する貨物にあつては、定率法第四条 から第四条の九 まで(課税価格の計算方法)の規定に準じて算出した価格。以下この条において同じ。)の総額が二十万円以下の貨物及び貨物の種類、商標等又は当該貨物に係る仕入書その他の書類によりその原産地が明らかな貨物に係るものを除く。)

第六十一条 三項
第一項第一号の原産地証明書は、当該証明書に記載された貨物の輸入申告の日(当該貨物につき第三十六条の三第一項(第五十条の二において準用する場合を含む。)又は第五十一条の十二第一項の承認の申請書を提出する場合にあつては、その提出の日。第五項において同じ。)においてその発行の日から一年以上を経過したものであつてはならない。ただし、災害その他やむを得ない理由によりその期間を経過したものであるときは、この限りでない。