とつぜん、FOB(本船渡し条件)って言われても。。。

20年前、会社で最初に学んだ貿易条件は、FOB(Free on Board)でした。
『フォブ?』ではなくて『エフ・オー・ビー』って読むんだ!といった基礎の基礎からスタートしました。

そして、このFOBの意味について、教科書では本船渡条件と説明がありました。

なるほど、本船渡条件ね!

つまり、売り主は、港まで貨物を持っていって、クレーンで吊り上げて、買い主に指定された船の甲板にドカンと置けばいいってことね!

うん!? でも待てよ、

クレーンで吊り上げている時に、貨物が転げ落ちたらどうなるんだろう?

例えば、

船の乗組員が、貨物を積み込むときに指示を間違え、船上のどこかに貨物をぶつけて、海に転がり落ちたら誰が責任をとるんだろう。。。。

先輩に、質問をすると、

『そんなことも分からんのか!貨物が船の手すり (ship’s rail) を通過していれば買い主の責任、手すりを通過してなければ売り主の責任に決まっとるやろが!』

と優しく?教えてくれました。
でも、どうもしっくりこない。。。

手すりの真ん中に貨物が落ちたらどちらの責任になるんだろうと疑問に思ったものです。ひょっとして、あの時の私と同じように感じた人もいるのでは?

そういう訳でこの記事を書きました。

長くなりましたが、結論をいいます。

手すりを通過するしないは、古いINCOTERMSの定義です。
最新のINCOTERMSでは、貨物が本船の船上に置かれた時にリスクが移転すると定義されております。この事を知った時、私の長年の疑問が解消されたような気持になりました。

FOBのリスク移転場所

FOBに関する説明原文:
The risk of loss of or damage to the goods passes when the goods are on board the vessel, and the buyer bears all costs from that moment onwards.
※国際商業会議所 (International Chamber of Commerce: ICC) のサイトより