皆さんRTAってご存知でしょうか?

RTAとは、地域貿易協定(Regional Trade Agreements)の略で、特定地域内の複数の国や地域の間で、物やサービスなどの移動を自由化する為の協定です。
FTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)、関税同盟などの総称ですと言った方が分かりやすいかも知れません。
最近話題となった、米国が離脱してしまったTPP(環太平洋経済連携協定)も入ります。

貿易協定は、世界貿易機関WTOが定めるのではないの?と思ってしまうのですが、WTOは加盟国が多い為(2016年12月現在、164か国が加盟)、全体の利害対立を調整するのが難しく交渉が頓挫する場合があります。
一方、RTAは、利害関係が一致している国や地域どうして締結する場合が多く、妥結しやすいとされてます。2016年1月時点では、世界で635もの協定が結ばれているとの事です。

日本が地域貿易協定を結んでいる国は、何カ国あるかご存知ですか?

外務省のホームページによると、2016年6月現在、日本は15協定締結しており、国数でいうと17カ国になります。

以外にも、日本と深い関係がある米国、中国、韓国、EU、カナダとはまだRTAは締結しておりません。

締結済み地域貿易協定(15個)

日・シンガポールEPA(2002年11月発効)
日・メキシコEPA(2005年4月発効)
日・マレーシアEPA(2006年7月発効)
日・チリEPA(2007年9月発効)
日・タイEPA(2007年11月発効)
日・インドネシアEPA(2008年7月発効)
日・ブルネイEPA(2008年7月発効)
日・ASEAN・EPA(2008年12月から順次発効)
日・フィリピンEPA(2008年12月発効)
日・スイスEPA(2009年9月発効)
日・ベトナムEPA(2009年10月発効)
日・インドEPA(2011年8月発効)
日・ペルーEPA(2012年3月発効)
日・豪EPA(2015年1月発効)
日・モンゴルEPA(2016年6月発効)

地域貿易協定を結んでいる国(17カ国)

シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、、ラオス、ミャンマー、カンボジア、ブルネイ、モンゴル、スイス、オーストラリア、メキシコ、ペルー、チリ、インド

※用語集

RTA(REGIONAL TRADE AGREEMENT / 地域貿易協定)
国家間または地域間で、物やサービスなどの移動を自由にする為に結ぶ貿易協定のこと。
FTA (FREE TRADE AGREEMENT / 自由貿易協定)、EPA (ECONOMIC PARTNERSHIP AGREEMENT)、関税同盟などの総称である。有名なものとしては、ヨーロッパ連合(EU)、アメリカ・カナダ・メキシコ3か国による北米自由協定(NAFTA)、最近アメリカが脱退した環太平洋経済連携協定(TPP)などがこれに該当する。

WTO (WORLD TRADE ORGANIZATION 世界貿易機関 )
自由貿易を推進するための国際協定GATT(GENERAL AGREEMENT ON TARIFF AND TRADE)を発展的に解消し、1995年に設立した国際機関。2016年12月現在、164か国が加盟している。因みに、日本政府が承認している世界の国家は196カ国である。加盟国には、最恵国待遇(MFN:MOST FAVORED NATION ),内国民待遇(NATION TREATMENT)が適応される。台湾やロシアも加盟している。非加盟国は、北朝鮮やイラク、イラン、リビア、ソマリアなど。