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中国での業務を円滑にするために必要な事

近ごろ、中小企業の経営者さまと話していると、『難しい中国市場はやめて東南アジア市場に注力する。』という方が多くいらっしゃいます。確かに東南アジアとのビジネスは中国より分かりやすい部分があります。しかし、商売は市場があって始めて成り立つものです。いくら東南アジアが発達しているとしても中国13億人の巨大市場にはかないません。

では日本企業が中国に進出するにあたって何に気を付ければよいでしょうか?中国に現地法人または事務所を作って失敗した中小企業の多くにある共通点があります。それは、中国人スタッフの管理が上手く行っていなかったという事です。ときどき人件費の高騰が原因と言う方がいらっしゃいますが、人件費は中国全土で上昇しているわけで、それでも収益を上げている企業はたくさんいます。やはり変化についていける組織を作れなかったと考えるべきです。

ここ10年で中国ほど劇的に変化した国はありません。そんな中国で、日本的な昔ながらの経営スタイルが通用しないのは当然のことです。今回は、中国人から聞いた日本の中小企業経営者さまがやめておいた方が良い3つの事をお話したいと思います。

中国人から聞いた日系企業がやめた方が良い3つのこと

1.日本式の曖昧な評価制度は中国でやめた方が良い

日本式の人事評価制度は、個人よりも組織の一員としての立ち居振る舞いを重視する傾向があります。儲かればすべてという完全個人主義に比べて柔軟性があり日本人の性格には適してます。しかし、この日本式の評価制度は、評価者の個人的な好き嫌いが影響しやすくなる欠点があり、中国にそのまま移管してもうまく行かない場合が多いです。中国で事業をする場合は、曖昧さを極力避け、会社として明確な人為評価基準を設けて、評価者の私情が入らない運用体制を構築し、中国人スタッフ全員に周知させる必要があります。

また、日本では一人の優秀なスタッフに特別待遇をすると周りで妬みや恨みなどが生まれ最悪足を引っ張りあう場合がありますが、競争社会の中国では、業績に貢献したスタッフを会社として十分な評価を与える事が中国人スタッフ全員のモチベーションを上げることにつながる場合が多く有効です。

2.ゴマすりスタッフを腹心にしない方が良い

中国人とビジネスをした人なら分かるかと思いますが、一人一人の商売のセンスは、日本人より中国人が相対的に上手です。特に戦後の平和で横並びの社会で育った世代は、不平等を前提に厳しい競争を戦ってきた中国人とは埋まらない差があります。このことは頭が良い悪いという問題ではなく環境が作り出した生き抜く基礎体力のようなものです。

慣れない異国での仕事は、どうしても不安になるものです。そんな日本人駐在員の気持ちを察して寄り添ってくる中国人スタッフは有り難いものです。しかし、そのスタッフを腹心にして組織を管理しようとするのは良い方法ではありません。よほど中国人を深く理解し、厳しいグローバルビジネスに慣れている人でない限り、自分では、中国人スタッフを上手く利用していると思っていても、実際は利用されてしまいます。(本人は帰国するまでそのことに気付かないと思います。)もし、どうしても中国で頼れる腹心が欲しいなら、本当に業績を上げれる優秀なスタッフを選ぶべきです。その方が、周りの中国人スタッフも納得してくれます。

この話をすると、『だから中国人は苦手だ!』と否定的なことを言う人がいますが、そんなことでは、グローバルビジネスでは勝てません。相手をよく理解し対処する事が大切です。実は、中国人は、個人一人一人は、強い力を持ってますが、集まると力が半減すると言われております。これは集団になると強くなる日本人と真逆です。よって、管理者として中国に派遣された日本人駐在員は、勝算が少ない1対1の付き合いではなく、得意な組織として中国人スタッフに対峙していく事が有利です。

3.監視役だけの日本人駐在員派遣なら置かない方が良い

2000年前半頃まで日本企業は、中国人の憧れでした。しかし、その時代は完全に終わりました。これからはパートナーの時代です。上から目線ではなく対等な付き合いが必要となります。よって、中国人スタッフの動きを監視するだけの目的で、高給の日本人駐在員を派遣しても良いことはありません。それよりも優秀な現地中国人スタッフに事務所を管理させた方がよっぽど上手く行きます。もし、どうしても日本人駐在員を派遣するのであれば、中国人スタッフと一緒に顧客開拓をできる活力を持った人材にすべきです。

個人的には、中国人スタッフ達が、日本人駐在員を評価し本社経営陣に報告できる制度を設けるのも良いと思います。この場合の評価項目は、1.公正な事務処理に勤めているか?2.公私混同していないか?3.中国文化の理解に勤めようとしているか?4.人の好き嫌いが激しいか?5.自ら顧客と接しようとしているか?など簡単なもので十分だと思います。

まとめ

先日、中国人サラリーマンから次のような話を聞きました。

最近の日本企業は、正直あまり魅力がないです。日本企業の良さであった終身雇用は消え、給料はいくら頑張っても天井があり横並びの文化。その上、中国人スタッフの監視のために来ている日本人ボス(駐在員)を説き伏せなければ何もできない。その点、欧米企業は違います。人種や国籍に関係なく数字次第の理念を徹底的に貫らぬいており、誰でも自分の努力によって上に登れる道が用意してあり、やっただけの報われます。

ついこの間まで、技術やモノづくりを学ぶ側であった中国は、今では自ら創造し次から次へと新しい製品を生み出しております。スピードが必要となるIT分野などでは、日本よりも優れた製品やサービスが出ております。昔のように日本企業で働くことにあこがれを持っている人は少なくなりました。これからの日本企業は、自分たちの考えに固執するのではなく、『郷にいれば、郷に従え』の考えで中国の文化を理解しながらビジネスをする必要があります。