初めて輸入する貨物の関税額は、事前に税関で調査しましょう!

取り扱ったことがない海外商品を商用で日本に輸入する時、もっとも心配なのがコストです。
輸入品のコストは、通常6つの要素で構成されます。

輸入品コストの6つの要素

1.商品代:海外メーカーが作った製品の工場渡し価格
2.輸送費:海外から日本国内の指定場所までの輸送料
3.保険費:海外から日本国内の指定場所までの保険料
4.通関費:通関業者に対して支払う手数料
5.輸入消費税:輸入製品に課せられる消費税
6.関税:日本国内に輸入するときに課される税

1,2,3,4番は、それぞれの業者に見積依頼すれば正しい金額を入手できます。
5番の輸入消費税も商品のCIF価格×8%(※1)で計算できます。

※1:輸入消費税 
輸入消費税は、2018年5月現在以下の通りです。
➀内国消費税=端数処理前の輸入品CIF価格 × 6.3%(100円未満切り捨て)
➁地方消費税=内国消費税額 × 17/63(100円未満切捨て)
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➂輸入消費税=➀+➁ ※おおよそ8%。課税価格の合計額が1万円以下の物品の輸入については、お酒やタバコなど特別税が課せられる品物以外は、関税および消費税が免除されます。

問題は、6番の関税の金額です。
関税を調べるには、まず関税率を確定する必要があります。
関税率は、輸入商品のHSコードをメーカーから入手し、実行関税率表で照会すれば、だれでも調べることが出来ます。

ただし、注意すべきことがあります。
それは、商品メーカーから入手したHSコード(※1)が、日本の通関でまったく異なるHSコードに分類されてしまう可能性があるということです。

※1:HSコード
国際条約(HS条約)で定められた製品コード番号です。日本では「輸出入統計品目番号」、「関税番号」、「税番」などと呼ばれております。関税率はHSコードによって規程されているため、HSコードを特定しなければ関税額は分かりません。HSコードの上6桁はHS加盟国・準拠国が同じルールで分類するため各国共通です。尚、7桁目以降は各国独自の細分化ルールであり国によって違います。

以前、弊社でもある食材の関税率を調べた時に、中国メーカーから間違ったHSコードを知らされていたことがあります。
もし間違ったHSコードで輸入すると、自己照会では、関税無しと判断した商品が、実際に日本の通関を通ると高額の関税が課せられる場合があります。

輸入前に正しい関税率を調査する方法について

事前照会(事前教示)制度を利用すれば、輸入の前に税関に対して、当該貨物の関税分類(HSコード)、原産地、関税評価及び減免税について照会を行い、その回答を受けることができます。

ぶっつけ本番でなく、輸入前に税番や税率がわかるので、正確な輸入コストを計算する一助となります。

また、文章による事前照会の回答書は、実際の輸入申告の際に審査で尊重されます。よって、輸入申告がスムーズになり、早期に貨物を受け取れるというメリットもあります。

なお、事前照会には、文章での回答以外に電話や税関の窓口などからの口頭回答もあります。口頭回答の場合は、文書回答と異なり、輸入通関の審査上、尊重されません。正確を期すためには、必ず文書で回答をもらうようにしましょう。

文書による事前照会(事前教示)にかかる日数

税関が照会書を受理してから文書による回答までにかかる日数は以下の通りです。
①関税分類(税番)および原産地及び減免税:原則として30日以内
②関税評価:原則として90日以内

文書でもらった事前照会の回答書に有効期限はあるか?

有効期限はあります。文書による事前照会の回答書は、その交付または送達のあった日から3年を経過すると、輸入申告の審査で尊重されません。
(再交付や再送達された回答書は、その最初の回答日の発出日から3年になります。)

事前照会の回答書に不服がある場合、意見を言えるか?

照会依頼者が、回答書の交付または送達を受けた日の翌日から起算して、2か月以内に、「事前教示回答書(変更通知書)に関する意見の申請書」に必要事項を記入し、回答してきた税関に提出すれば再検討をしてもらえます。※口頭による回答は、意見の申出を行うことができません。

事前照会は、誰が申請できるか?

輸入しようとする貨物の輸入者や輸出者、輸入貨物の製法、形状等を把握している利害関係者またはこれらの代理人であれば、事前照会を行うことができます。

事前照会の回答書は公表されるのか?

文書回答の内容は、回答後原則として税関ホームページ等において公開されます。
ただし、行政機関の保有する情報の公開に関する法律に定める不開示情報に該当する部分や、守秘義務に抵触する部分については、該当箇所を伏せて公開されます。

また、文章回答の内容が公開されることにより、照会依頼者が不利益を受ける恐れがあり且つ正当な理由がある場合は、180日を超えない期間において、非公開期間の設定が可能です。

関税法 第7条3項
第七条 申告納税方式が適用される貨物を輸入しようとする者は、税関長に対し、当該貨物に係る関税の納付に関する申告をしなければならない。
2 前項の申告は、政令で定めるところにより、第六十七条(輸出又は輸入の許可)の規定に基づく輸入申告書に、同条の規定により記載すべきこととされている当該貨物に係る課税標準その他の事項のほか、その税額その他必要な事項を記載して、これを税関長に提出することによつて行なうものとする。
3 税関は、納税義務者その他の関係者から第一項の申告について必要な輸入貨物に係る関税定率法別表(関税率表)の適用上の所属、税率、課税標準等の教示を求められたときは、その適切な教示に努めるものとする。

参照元:東京税関ホームページ 事前教示について