海外調達は細かい確認が必須です

ちょうど1年前になりますが、国内のお客様より、USBケーブルを調達して欲しいと依頼がありました。
USBケーブルならどこでも手に入りますが、なぜ弊社にご依頼されるのか聞いてみると、どうやら、Micro USB Type-B / Micro USB Type-C / Lightning が使える3in1タイプが欲しいとの事で、お客様自身でいろいろ探したが良い製品が見つからなかったそうです。

言われてみると、最近のMacBookのコネクターはType C、Android携帯はType-B、iPhoneは、Lightingでそれぞれ異なっています。
これらが一本に、まとまったUSBケーブルがあれば、使用する端末ごとに毎回差し替えなくても良くなり便利です。

お客様から指定されたケーブル仕様は、➀1Aでの充電ができること、➁Lightningコネクタは、MFi規格に準拠していること、➂ケーブルは35センチとすることの3点であり、この情報をもとに弊社の中国ネットワークで調査を行いました。
さすが中国、一週間後には広東省東莞(DONGGUAN)で対応できる業者を見つけました。

基本スペックは問題ありませんでしたが、この業者は、日本向けの販売実績はないとのことで、まずは、品質確認のため小ロットのサンプルを入手、お客様でテストをしてもらいました。
結果は問題なし。予定通りある程度の量を発注して頂きました。

1ヶ月後、製品が日本に届き、検品を行ったところ、なんとケーブルの長さに±2センチのバラツキがある事が判明。
すぐに調達した中国語業者に問合せると、納期が急ぎだったので工場の在庫を出荷した、そのために長さにばらつきが出たという回答。

納品されたケーブル。上下で長さが違います。

『検品印が押してあるのに、なんでこんなに長さが違うのか?』メーカーの担当者に問い詰めるが、反省しているような気配は感じられない。
本製品の調達を手伝ってくれた中国人パートナーに業者と交渉してもらったが、このメーカーの担当者は、田舎出身で仕事に対する責任感があまりないとのこと。

それでも諦めずに色々と交渉をすると、ようやく交換するので郵送して欲しいとのことの返事、一見、良さそうな回答であるが、こちらが先に不良品をおくって、本当にすぐに良品を送り返してくれるのか、どうしても心配になり、まずはその数量分を先に送るように指示をし強引に納得してもらいました。

この件は、最後は、お客様のご厚意で2センチの誤差のまま納品で許していただけましたが、後から考えると調達のときにもっと、ケーブルの長さを交差をふまえて明確に指示しておけば良かったと思います。

日本ではケーブルの長さを35センチとしたら、常識レベルで誤差は最大でも数ミリ以内だと思います。しかし、海外の場合は、こちらが明確にしてなければ、とんでもない誤差で製品を送ってくる場合があります。外国企業との取引は、自分と同じ常識をもっていると考えるのは危険です。特に初めての取引では、慎重すぎるくらいに細かく仕様を確認する必要があります。

以上