無償品の輸出について

有望顧客には無償サンプルを送りましょう。

海外向けに自社製品を販売したいと考えている中小企業様は多いと思います。
正当な価格と条件で海外企業との取引を成立させるには、まず自社製品の品質や性能をお客様に十分理解してもらう必要があります。
日本国内であれば、お客様と直接会って商品説明をすることが可能ですが、海外となるとすぐにお客様のところを訪問するわけにはいきません。
メールやプレゼン資料でもある程度説明はできますが、言葉の壁があり商品の本当の良さを理解してもらうには限界があります。
そんな時に、無償サンプルを送ってお客様に製品を直接知ってもらえば、取引成立の確立が高まります。
では、輸出をするにあたってどのような手続きが必要なのでしょうか?

無償サンプルの輸出申告で必要な情報

どんな製品でも海外向けに輸出する場合は、輸出申告書を税関に提出する必要があります。
輸出申告手続きは、フォワーダー(貨物利用運送事業者)や海貨業者(海運貨物取扱業者)など専門業者が代行してくれるので、輸出者は、業者から要求された資料、INVOICE(インボイス)、PACKING LIST(パッキングリスト)、非該当証明書を用意し、商品と一緒に渡せば輸出手続きは完了です。
尚、無償サンプルの場合は、INVOICE(インボイス)にNO COMMERCIAL VALUE(無償品)と明記して輸出します。
※輸入国では、特定の条件を満たす無償品に関税を課さない場合があります。NO COMMERCIAL VALUEの記載が無い場合は、輸入国では、商用品として扱われてしまい通常の輸入関税が適応されることになります。

無償サンプルの申告価格は省略できるか?

無料の商品だから、申告価格を0円や無記入でも良いのではと思われるかもしれませんが間違いです。
たとえ、無償品であっても有償で輸出された場合の価格を記載して申告する必要があります。

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無償サンプルの商品価格が分からない時は?

では、無償サンプルで記載すべき商品価格が分からない時は、どうすればよいのでしょうか?
たとえ、仕入れ値が分からない場合であっても、商品価格の記載を省略することはできません。

商品価格が未確定である場合の輸出申告価格は、➀製造原価または➁市況価格をベースにして申告価格を決定します。

➀製造原価等をベースにする場合

輸出申告価格=製造原価(調達原価)+通常の利益+一般管理費+船積みに要する費用
※客先との間で値引きがあった場合は、調整が加えられる前の価格とする。

➁市況価格をベースにする場合

輸出申告価格=輸出申告前3ヶ月以内の申告に係る貨物の同種又は類似の貨物の価格

なお、輸出者は、関税法94条(同法施行令83条8項)にて、輸出した商品の帳簿、書類、電子データーを、輸出許可の日から起算して5年間、保存義務があります。

関税法施行令:
平成二十九年三月三十一日公布(平成二十九年政令第百二十七号)改正
(帳簿の記載事項等)
第八十三条 申告納税方式が適用される貨物(特例輸入者の特例申告貨物を除く。)を業として輸入する者(第六項及び第九項において「輸入者」という。)は、法第九十四条第一項(帳簿の備付け等)に規定する帳簿を備え付けて、これに輸入の許可を受けた貨物(以下この条において「輸入許可貨物」という。)について当該輸入許可貨物の品名、数量及び価格、仕出人の氏名又は名称並びに当該許可の年月日及びその許可書の番号を記載しなければならない。
2 前項の規定は、貨物(本邦から出国する者がその出国の際に携帯して輸出する貨物及び郵便物並びに特定輸出貨物を除く。)を業として輸出する者(第八項及び第九項において「輸出者」という。)について準用する。この場合において、前項中「第九十四条第一項(帳簿の備付け等)」とあるのは「第九十四条第二項(帳簿の備付け等)において準用する同条第一項」と、「輸入の許可」とあるのは「輸出の許可」と、「輸入許可貨物」とあるのは「輸出許可貨物」と、「仕出人」とあるのは「仕向人」と読み替えるものとする。
3 第四条の十二第二項の規定は特例委託輸入者(法第七条の二第一項(申告の特例)に規定する特例委託輸入者をいう。)の許可済特例申告貨物に係る法第九十四条第一項に規定する政令で定める書類について、第六十一条第一項の規定は許可済特例申告貨物以外の輸入許可貨物に係る法第九十四条第一項に規定する政令で定める書類について、それぞれ準用する。この場合において、第六十一条第一項中「輸出申告若しくは輸入申告に係る」とあるのは「輸入の許可を受けた」と、「若しくは売渡人」とあるのは「又は売渡人」と、「が輸出申告若しくは輸入申告の内容を確認するために必要な書類又は」とあるのは「に対して当該貨物に係る輸入の許可に関する申告の内容を明らかにすることができる書類及び」と読み替えるものとする。
4 第六十一条第一項(各号を除く。)の規定は、法第九十四条第二項において準用する同条第一項に規定する政令で定める書類について準用する。この場合において、第六十一条第一項中「輸出申告若しくは輸入申告に係る」とあるのは「輸出の許可を受けた」と、「仕入書、運賃明細書、保険料明細書」とあるのは「仕入書」と、「若しくは売渡人」とあるのは「又は売渡人」と、「が輸出申告若しくは輸入申告の内容を確認するために必要な書類又は次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に定める」とあるのは「に対して当該貨物に係る輸出の許可に関する申告の内容を明らかにすることができる」と読み替えるものとする。
5 第一項(第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の帳簿に記載すべき事項の全部又は一部が第三項若しくは前項の書類又は輸入若しくは輸出の許可書に記載されている場合は、当該全部又は一部の事項の第一項の帳簿への記載を省略することができる。
6 輸入者は、第一項の帳簿及び第三項の書類(前項の規定により第一項の帳簿への記載を省略した場合における輸入の許可書を含む。以下この項において同じ。)を整理し、第一項の帳簿にあつては輸入許可貨物の輸入の許可の日の翌日(以下この項及び次項において「起算日」という。)から七年間、第三項の書類にあつては起算日から五年間(前項の規定により第一項の帳簿への記載を省略した場合には、七年間)、輸入者の本店若しくは主たる事務所若しくは当該輸入許可貨物の輸入取引に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地又は輸入者の住所地に保存しなければならない。
7 起算日から五年を経過した日以後の期間における前項の規定による保存は、財務大臣の定める方法によることができる。
8 輸出者は、第二項において準用する第一項の帳簿(以下この項において単に「帳簿」という。)及び第四項の書類(第五項の規定により帳簿への記載を省略した場合における輸出の許可書を含む。)を整理し、輸出許可貨物の輸出の許可の日の翌日から五年間、輸出者の本店若しくは主たる事務所若しくは当該輸出許可貨物の輸出取引に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地又は輸出者の住所地に保存しなければならない。
9 法第九十四条第三項の規定において輸入者又は輸出者について電子帳簿保存法の規定を準用する場合における電子帳簿保存法の規定に係る技術的読替えは、次の表のとおりとする。

以上