世界では年間どのくらい数のコンテナが船で運ばれているのか?

高速道路や幹線道路を車で走っていると、大型トレーラーがコンテナを運んでいるのを見かけます。青色・緑色・茶色などカラフルに塗装されたコンテナには、大きな文字で船会社の名前が書いてあります。
時代の流れで、最近は中国企業のコンテナが目立つようになりました。貿易をしている人は知っている話ですが、コンテナのサイズは統一規格があり、どこの船会社のコンテナでも運送できます。

今や世界の物流で欠かせなくなったコンテナ輸送ですが、現在、世界の海で1年間に運ばれるコンテナ数は、20フィートコンテナ換算″TEUとも言います”で1億2千万個~1億3千万個もあると言われております。

因みに、(公財)日本海事センターの『世界のコンテナ荷動き量の推移』によると、2000年時点では年間5千6百万個であり、コンテナ輸送がいかに急激に伸びたか理解できます。

※参照元:(公財)日本海事センター『世界のコンテナ荷動き量の推移(2000-2015年、IHSデータ)』より

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巨大化するコンテナ船

増え続けるコンテナ数に対応する為、コンテナを輸送する船自体も大型化が進んでおります。今年から運航を始めた日本の船会社(商船三井)の最新鋭コンテナ船は、長さ400メートル、幅58.8メートルもあり現時点で世界最大です。
この船には、20フィートコンテナ換算(※)で最大20,170個のコンテナを積載することができます。もはや船というより海に浮く巨大倉庫と言った方がよいのかもしれません。因みに、現代のコンテナ船は水の抵抗を受けにくい設計になっており、大型でも航海スピードは速く東京港から米国西海岸のロサンゼルスのロングビーチ港なら約11日間で航海することができます。

20フィートコンテナ換算:
TEU(英語: Twenty-foot Equivalent Unit)とも呼ばれており、コンテナ輸送で一番よく使用される大きさであり、コンテナ船の積載量を表すときに使われたりします。

商船三井が保有する世界最大のコンテナ船写真(出展:商船三井のホームページから)

コンテナ運送の安全性について

コンテナは、丈夫な金属の箱で出来ているので、よほどの衝撃が無い限り破損しません。また、船に積み込まれたコンテナは、コンテナに取り付けられた固定機構によりコンテナとコンテナがしっかり固定されるだけでなく、荷崩れ防止の金属ワイヤーで外側から固定される為、余程のことが無い限り海に落ちる事はありません。
しかし、海上を航行する以上は、厳しい気象条件に遭遇する事も当然あるわけで、座礁や荒波による船体破損、濃霧による他船との衝突等により、不幸にもコンテナを海に落としてしまう事もあります。
輸出であれ輸入であれ、当事者が一番困るのは輸送中に貨物が消えて無くなってしまう事です。しかも、万が一、紛失した貨物に保険をかけ忘れていた場合などは、笑い事では済まされません。コンテナ船は他の輸送手段に比べてはるかに安全で過剰に心配しなくても良いという人もいます。確かにそうかもしれませんが、実際に航海中に海に落ちて無くなってしまうコンテナの数量くらいは、貿易をやる上で知っておきたいものです。

航海中に失われるコンテナの数

カラフルな金属の箱を満載したコンテナ船は、ちょっと傾けば崩れてしまいそうに見えます。しかし、実際の船上では、コンテナ同士の4隅をツイストロックと呼ばれる金具で接続し、甲板上では頑丈な鋼鉄製の棒(ラッシング・バー)がコンテナをしっかり固定しており、余程の事が起きない限りコンテナが海に落ちることはありません。
とはいっても、嵐や操船ミスなどにより、座礁や衝突事故などが起きることがあり、毎年コンテナの何個かは航海中に失われます。

では、毎年どの位の数のコンテナが海上で失われてしまうのでしょうか?

RENA号の座礁沈没事故、New Zealand Governmentのサイトより

航海中の事故で失われるコンテナの数に関して、世界の主要定期船社が参加しているWSC(世界海運評議会)※➀ が、2011年と2014年の2回に渡って調査してます。
WSCの報告書では、2008年~2010年の3年間で年平均350コンテナ、2011年~2013年の3年間で年平均733コンテナが航海中に失われたと記載されております。ただし、この数は、大量のコンテナを一度に失う沈没事故※を含んでおりません。もし沈没事故も含めると平均数値は大きく上がり、2008年~2010年は、年平均675コンテナ、2011年~2013年は、年平均2683コンテナが海に消えたことになります。

20フィートコンテナ換算:
TEU(英語: Twenty-foot Equivalent Unit)とも呼ばれており、コンテナ輸送で一番よく使用される大きさであり、コンテナ船の積載量を表すときに使われたりします。

コンテナを失う確率は高いのか?

2018年5月10日神戸港コンテナ火災

一番悪い数字である年平均2684コンテナを、年間のコンテナ海上輸送数1億3千万個で割ると、海上輸送でコンテナを失う確率は、約0.00002%、つまり、約500万コンテナに1個が事故に遇うことになります。
国内で交通事故にあう確率が、約0.004%=約2万5千回に1回ですから、海上輸送はかなり安全な輸送手段であると言えるかもしれません。

しかし、WSCの報告書は、海上で失われたコンテナの数を記載しているだけで、雨や海水が入ったことによる貨物の濡れや荒天による破損は含まれておりません。上のRENA号の写真を見て心配に感じるのであれば、迷わず保険に入っておく事をお勧めします。
※出展:WSC : Survey Results for Containers Lost At Sea – 2014 Update より