台湾へビジネス出張する時に知っておくべき基本情報を整理しました。

 

2018年の台湾人口

2018年6月時点の台湾総人口は、23,574,274人です。

ピンとこない方は、以下をイメージしてください。

韓国(2018年度、約51,640,000人)のおおよそ半分

日本(2018年度 約126,490,000人)のおおよそ5分の1

ちなみに、2017年の中国上海市人口は、23,019,100人であり、台湾とほぼ同じです。

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台湾の民族事情

漢民族と原住民

台湾には、昔から中国人(漢民族)が住んでいるように思えますが、中国人が本格的に移住し始めたのは17世紀からです。

それ以前は、フィリピン、インドネシア、マレー半島に住んでいる人たちと同じ、南島語族系民族(オーストロネシア語族)が住んでいました。

彼らは、台湾で原住民と呼ばれており、今でも16の民族が暮らしております。

台湾の原住民人口

台湾政府内政部が公表している2018年01月時点の台湾原住民の総人数は、559,918人です。これは台湾総人口の約2.37%に該当します。

16民族の中で一番人数が多いのは、阿美族(アミ族)で原住民総人数の約37%(208,761人)です。

ほとんどの原住民は、台湾の山地に住んでいて平地の都市ではあまり出会うことはありませんが、阿美族だけは、台北市や高雄市など都市でも暮らしています。
※統計資料によると、阿美族以外の民族は、約84%が山地に住んでいます。

注記:
日本統治下時代(1895年から1945年)、日本人は、原住民のことを高砂族(たかさこぞく)と呼んでいました。太平洋戦争末期、高砂族義勇隊(また高砂義勇軍)と呼ばれる台湾原住民による日本部隊が編制され、フィリピン、ニューギニアなどの激戦区に派遣され、日本の為に戦い、数多くの人が命を落としました。

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本省人と外省人

原住民以外は、漢民族、つまり中国人です。人口比率で表すと漢民族は、総人口の97.63%です。
中国大陸から漢民族が本格的に移住し始めたのは、17世紀からと言われております。

台湾では、同じ漢民族でも台湾に来た時代によって、本省人外省人と分けて呼ぶ場合があります。

外省人とは、日本が太平洋戦争で敗戦し、統治していた台湾から撤退した後、新しい統治者となった中国の国民党と一緒にやってきた人たちです。
台湾で生まれた育ったわけではないので、台湾省以外の人という意味で外省人と呼びます。

一方、17世紀ころ福建省や広東省から台湾に移住していた中国人(閩南民系ホーロー人や客家人など)を内省人と言います。

今では、内省人、外省人という見方より、同じ台湾人として物事を考える人が増えているようですが、1947年2月28日には、228事件という外省人(正しくは国民党政府)と内省人の衝突事件が起きました。
台湾行政院の発表では、1万8千~2万8千人の犠牲者(死者の大多数は内省人)が出たと言われております。

228事件
長い日本による統治が遂に終わり、やっと自分たちの国が持てたと思ったら、やってきた国民党政府は、同じ漢民族でありながら、日本の統治方法を踏襲したため、もともといた台湾人はとても失望しました。
228事件が起きた当時、内省人の間で言われていた有名な言葉の一つとして、狗去豬來(犬が去ったら、豚が来た)があります。ここでいう犬とは日本人のことで、豚は国民党です。

台北市の駅から徒歩で20分くらい歩くと台北二二八記念館があります。
日本統治下から国民党統治に移る中で、人民たちがどのように翻弄されていったか学ぶことができます。サービスカウンターで無料の日本語音声ガイドセットを借りることができます。
台湾をもっと知りたい方はぜひ一度足を運んでみると良いと思います。

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台湾の国土地理

台湾の総面積(島を含む)は、36,188km²です。九州本島が36,782km²ですので、台湾の大きさをイメージする場合は、九州とほぼ同じであると考えておけば大丈夫です。

台湾の南北の長さは394キロ、縦長のジャガイモのような形をしています。

中国福建省の沿岸部との距離は約200キロ離れています。

島の真ん中に大きな山があり、西の中国側は工業が発達しており、東の太平洋側は観光地となっています。

重要な島、金門島

台湾には、金門島と呼ばれる島があり中国に隣接しています。中国管轄の角嶼島から金門島まではわずか1.8キロしか離れていません。

金門島の特産は、高粱酒です。台湾のセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなどのコンビニエンスストアにいけば購入可能です。

かつて、金門島は、中国共産党と国民党との闘いの最前線であり、中国から発射された沢山の砲弾を原料とした金門包丁も名産品です。

日本より高山がある台湾

日本には、3000メートル級の山が21坐ありますが、面積が九州程度の台湾には、どのくらいあると思いますか?

5座?10座?

いえいえ、ウイキペディア情報
によると台湾にはなんと269座もあります。ただし、この269座をよく見ると主峰の付属の山も含まれており、それら付属の山を削除したとしても167座もあります。

台湾は、日本人が考える以上に高い山が多いのです。

台湾で最も高い山は?

台湾で最も高い山は、玉山(Yù Shān)です。台湾のほぼ中央部に位置しており、標高は3,952mであり、日本の富士山(3,776m)よりも高い山です。

この山は、昔、新高山(にいたかやま)と呼ばれていました。1941年12月8日の日本軍による真珠湾攻撃の時に使われた、有名な符丁、「ニイタカヤマノボレ一二〇八」は、12月8日午前零時を期して真珠湾への戦闘行動を開始せよとの意味ですが、このニイタカヤマは、玉山のことです。

何で、フジサン登れにしなかったのかと思う人もいるかもしれませんが、新高山は、1895年に日本が日清戦争で勝利して、中国から台湾を割譲したときに日本領土になっており、当時、日本最高峰の山といえば、富士山ではなく新高山だったのです。

台湾には雪が降るの?

台湾の首都台北市は、北緯25度05分に位置しています。これは、沖縄県の那覇市26度12分や石垣市24度20分とほぼ同じです。

南国のイメージがありますが、実は、合歡山、 陽明山、玉山、雪山、拉拉山、太平山、南湖大山などの山では、冬に雪が降ることがあります。

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台湾の気候

台湾の台中市と台南市の間を北回帰線が通っています。

回帰線とは、夏至の時に太陽が真上に来る北限および南限のことで、北限(北緯23.27度)が北回帰線、南限(南緯23.27度)のことを南回帰線と言います。

北回帰線と南回帰線の間を熱帯気候と呼びます。

よって、台湾の南側は、熱帯気候に属します。

ちなみに、回帰線は、英語でTROPIC(トロピック)といいます。形容詞にすると、トロピカル(TROPICAL)になります。

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