海外出張に行く人にとってスーツケースはとても重要なアイテムです。旅行であればデザインで選んでも良いかもしれませんが、仕事用は実用性を重視する必要があります。

頻繁に海外出張に行っているベテラン海外営業員が、スーツケースを選ぶときに重視している6つのポイントとおすすめの製品を記載しました。あなたのスーツケース選びの参考にしてください。

 
 

1.大きさ(サイズ)

大は小を兼ねるといいますが、出張用スーツケースは小さければ小さいほど使い勝手が良くなります。おすすめは機内持ち込みサイズ※です。3日程度の短期出張が多い人は、スーツ1着・靴1足・下着や靴下3日分・Yシャツ3枚、そしてパソコンなど自身の仕事道具が収納できる容量(Capacity)30~40リットル サイズがおすすめです。

機内持ち込みサイズの3つの利点

①入国審査後すぐに空港から出られる

スーツケースを機内に持ち込むと入国審査後すぐに空港から出ることができます。逆に空港カウンターでスーツケースを預けてしまうと到着した空港で受け取りに時間を取られます。場合によっては30分以上待たらされることもあります。

②盗難、紛失、破損を防げる

スーツケースを空港カウンターに預けると飛行機への積み込みや積み下ろし作業中に貴重品が盗まれたり、乱暴な扱いにより中に入れている貴重品が壊される可能性があります。海外出張ではやむを得ない場合を除きスーツケースは常に自分のコントロール下に置くことが重要です。

③すぐに荷物を取り出せる。

手荷物としてスーツケースを機内持ち込みしておけば、フライト中に書類やパソコンなどを見たくなったときにすぐに取り出すことができます。

※機内持ち込みサイズ
JALとANAの場合、国内国際線ともに100席以上ある飛行機であれば付属品(ハンドル・ポケット・キャスター等)を含む3辺の和が115cm以内であり且つ3辺それぞれの長さ 55cm×40cm×25cm以内で、制限重量が10キロ未満であれば機内に持ち込み可能です。
※その他の海外航空会社もほとんど同じ規格ですが、LCC系の航空会社や中東系(エミレーツ航空、カタール航空など)などの場合、制限重量が7kg以内であったり、許容サイズが小さかったりする場合があるので注意が必要です。
 

2.ケース素材

スーツケースにはソフトタイプハードタイプの2種類があります。ソフトタイプはナイロン系の素材を使用しておりハードタイプに比べて軽いというメリットがあります。一方、ハードタイプは、ABS(強化プラスチック)やポリカーボネートなどのプラスチック素材またはジュラルミン(アルミニウム合金)などの金属素材が使わます。

ケース材質は、外観に直接影響するところであり好みが分かれるところですが、頻繁に出張に行く人は、軽くて丈夫なハードタイプのプラスチック素材がおすすめです。またケース表面にエンボス加工など傷防止の表面処理加工がしてあるときれいな状態を長く保つことができます。

ハードタイプ(プラスチック素材)の3つの利点

雨で中身が濡れにくい

東南アジア地域など熱帯や亜熱帯地域では突然のスコールに会うことがあります。ビジネスでは書類やパソコンなどの電子機器が濡れるのことは厳禁です。 密閉性が高いハードタイプであれば短時間の雨であれば中身が濡れません。しかしソフトタイプは長時間雨に濡れると雨水が中に染み込んできます。

②衝撃で中身が壊れにくい

ビジネスではスーツケースにパソコンなど精密機器を入れて運ぶ場合があります。 ハードタイプは中身への直接的な衝撃を緩和することができます。 しかしソフトタイプは外部からの衝撃が直接内部に伝わってしまうため強い衝撃が加わると中身を壊してしまう恐れがあります。

③盗難に対策になる

ソフトタイプはナイフなど鋭利な物があれば、わずかな時間で引き裂かれて中身を奪わる可能性があります。一方ハードケースは破壊するのに労力が要るためソフトタイプよりは安全です。

 

3.車輪(キャスター)

車輪(キャスター)は、スーツケースの中で最も重要なパーツです。ここが壊れるとスーツケースはただの重たい箱となってしまいます。ビジネス用の場合は、4輪でストッパー機能があり頑丈なものを選ぶことをおすすめします。

①2輪より4輪が良い理由

2輪のスーツケースは颯爽としたイメージがあり海外出張に慣れた方にも根強い人気があります。しかし2輪は後ろに引っ張って移動するため飛行機や新幹線などの狭い通路の移動には適しません。とくに人が密集している駅や空港内などでは周りの人にぶつかったりして迷惑をかける場合がります。移動が多いビジネス用のスーツケースは走行自由度が高い4輪をおすすめします。

②ストッパー機能が必要な理由

4輪スーツケースの欠点は揺れる電車やバスの車内、傾斜のある場所などでスーツケースが横滑りを起こすことです。横滑りを嫌いあえて2輪に変更する人もいるくらいです。最近は、横滑り防止のストッパー機能が付いているスーツケースが増えてきました。もし、あなたがスーツケースを持って電車やバスに乗るのであれば、ストッパー機能付きを選ぶことをおすすめします。

③頑丈であるべき理由

海外では舗装状況が良くない道も多くあるため、車輪への負担が大きくなります。スーツケースの車輪形状は、メーカーにより異なりますが、車輪の構造を十分な研究をしている製品を選びましょう。また車輪のガラガラ音は周りの人にとって耳障りなものです。とくに深夜早朝に移動をすることが多い人は、車輪音が少ないサイレント仕様がおすすめです。

 

4.収納ポケット

出張用スーツケースには、衣服の他に仕事関係の物が収納されます。移動中に資料やパソコンを見たくなったとき、毎回スーツケースを全開にして探すのはスマートではありません。

自分が使用しているノートパソコンとA4サイズの資料が余裕をもって収納できるフロントオープンポケット付きのスーツケースがおすすめです。

 

5.ケース形状

スーツケースには、縦長タイプ横長タイプの2種類があります。横長タイプはスタイリッシュで中身を取り出す時に奥まで手を伸ばさなくても良いので便利です。しかし電車やバスに乗って移動することが多い人は、椅子に座った状態でも足元の場所をとらない縦長タイプがおすすめです。

 

6.ロック(鍵)規格

ビジネス用スーツケースは原則手荷物として機内に持ち込むべきです。しかし、まれに重量オーバーなどでカウンター預かりとなる場合があります。

米国では安全対策のためにスーツケースを預けるときに開錠しておくことを求められます。もし鍵をかけて預けるとスーツケースを壊して検査されてしまう可能性があります。

しかし、アメリカ運輸保安局(TSA)の規格に準じた鍵であれば、手荷物検査員が専用ツールで開錠できるので、鍵をかけたままでスーツケースを預けることができます。すぐに米国出張にいく用事がなくても、TSAロック機能の鍵を選んでおく方が無難です。

 

7.おすすめスーツケース3選

海外出張でおすすめのスーツケースをご紹介いたします。どの製品も品質がよくビジネス用として適しています。

[プロテカ]マックスパス 3 40L

  • メーカー :Proteca(プロテカ)
  • 容量サイズ:40L、100席以上機内持ち込み可
  • 重量   :約3.6kg
  • ケース素材:ポリカーボネート/ABS樹脂
  • キャスター:4輪、ストッパ―有り、静音タイプ
  • ポケット :フロントオープンポケット付き
  • ケース形状:正方形タイプ
  • ロック規格:TSAロック
日本製のスーツケースらしく一つ一つの作りが丁寧。ボディーの質感も非常に良い。サイレントキャスターを搭載しており動きは非常に滑らか。キャスターストッパー付き。大容量のフロントポケットが魅力。 サイズが少し大きめなところが評価が分かれるところ。総合的な完成度は非常に高い。

 [エンド―鞄]フリクエンター 4輪キャリー ストッパー付 34L

  • メーカー :エンド―鞄
  • 容量サイズ:34L、100席以上機内持ち込み可
  • 重量   :約3.6kg
  • ケース素材:独Bayer社製ポリカーボネート
  • キャスター:4輪、ストッパ―付き、静音タイプ
  • ポケット :フロントオープンポケット付き
  • ケース形状:縦長タイプ
  • ロック規格:TSAロック
特許を取得している世界一静かな車輪(キャスター)により動きは非常に滑らか。フロントポケットの容量が大きくノートパソコンだけでなくバッテリーなども十分入る。ケース表面はエンボス処理されており傷が目立たない。キャスターストッパ付き。容量のわりにすこし重たい気もするが、ビジネス用として必要な機能をすべて兼ね備えている。

[エース]パリセイドZ 36L

  • メーカー :エース株式会社
  • 容量サイズ:36L、100席以上機内持ち込み可
  • 重量   :約3.3kg
  • ケース素材:独Covestro社製ポリカーボネート
  • キャスター:4輪、ストッパ―無し、静音タイプ
  • ポケット :フロントオープンポケット付き
  • ケース形状:縦長タイプ
  • ロック規格:TSAロック
有名ブランドのエースだけあって洗練されたデザインが特徴。静音と旋回性に優れる双輪キャスターを採用している。重量も軽く、価格もお手頃である。キャスターストッパー機能がないのが少し残念だが、総合的にコストパフォーマンスが高い製品である。