中国17地域の中国商人の性格について

中国人とビジネスをする時に、商習慣の違いにとまどう日本人は多いと思います。ときどき中国人というひとまとまりで話す人がいますが、日本の約25倍の国土を持ち13億の人が暮らす中国は、日本とは比べものにならなくらい多様化しています。中国人とのビジネスをより円滑にするために地域における中国商人の性格を調べてみました。もちろん、人の性格は千差万別であり、その地域の商人に全て同じ特徴がある訳ではありませんが、中国人と長く商売をした人であれば頷けるところもあると思います。ビジネスは相手を知る事から始まります。出身地域における大まかな気質を理解しておくことで相手への理解がより深くなります。

 

①北京の商人

1.北京商人は非常に現実的、彼らは何をするにしても実務的。
2.ビジネスにおいて北京商人には『友人へのたった一度の裏切が自分を生涯害することになる。』(※1)という格言がある。
3.企業の製品を販売する時に、北京商人には『良い品は自然に売れるものだ。』(※2) という観念がある。
4.メンツは北京商人を苦しめもしたがビジネスでは依然としてメンツを重んじる。

※1:骗朋友仅是一次,害自己却是终生
※2:货好不用吹

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②東北の商人(哈爾濱、長春、大連、瀋陽など)

1.東北商人とビジネスするなら、粋に感じて投資すれば、成らない事も上手くいく。
2.東北商人とビジネスするなら、まず彼らの気性を十分理解することが必要。これは彼らとのビジネスでは基本のことです。
3.東北商人とビジネスするときは、決してケチってはいけない。金を出すべきときは思い切って出すべき。
4.東北に来てビジネスを立ち上げる場合、人を驚かすくらい酒が強くなければ商いの足場を作るのはとても難しい。

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③河北の商人

1.商売の集まりの中で河北商人はあまりわめき立てない。感情を高ぶらせず、多くを話さず、タバコを吸いながら静かに相手の話を聞く。
2.河北商人は弁舌を振るって出しゃばることを好まない。
3.河北商人は質朴で利益より正義を重んじる。

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④河南の商人

1.河南商人の商談は比較的聡明だが、一部の人は目の前の利益ばかりに固執してこずるい。
2.河南商人の商売は、いつも元手資金の確保を前提としており長期的な経営戦略に欠けている。

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⑤山東の商人

1.山東商人がビジネスにおいて重視することは二つある。第一に”良心に背かない”。第二が“友に申し訳ないことをしない”。
2.山東商人と商談するときは酒がなければ話が興ざめして面白くない。
3.山東商人は苦労ができるが冒険をしたがらない。異郷での生活をあまり求めたがらない。

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⑥山西の商人

1.山西商人は、裸一貫から事業を興したたたき上げが多い。勤勉で質素に苦労を厭わない創業精神がある。
2.山西人は、誠意をもって商売をすることを基本としている。
3.山西人のビジネスの特徴は、薄利多売、生産と販売が結合されている。

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⑦湖北の商人

1.湖北商人は負けず嫌い、彼らとビジネスをする時は、このような性格をまずよく知っておくべき。
2.湖北商人のコピー製品と密輸品に注意すること。
3.湖北商人は死んでもメンツを守る。彼らとビジネスをする場合、彼らのメンツを無くさせるとビジネスが無くなる。

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⑧湖南の商人

1.湖南商人は、まじめに仕事をし、苦労を厭わず、生まれつき多才な人が多く、一旦、市場に入ると大いに発展する。
2.湖南商人と商売をするときは、一般的に品質の上では安心できると言われています。
3.湖南商人の多くは、薄利多売戦略を実行し、資金の回転率を上げていきます。

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⑨上海の商人

1.ビジネスの目的が非常に明確、経済的利益があるか否かが唯一の確かな基準です。
2.ビジネスにおいて利益の無いことは決してやらない。
3.上海商人は当然得れるものだけを求める。自分のものにならない事はあまり考えない。
4.上海商人とビジネスをすると些細な事で議論が絶えず長時間引きずるため忍耐力が必要となる。
5.上海商人は規則を守る。一旦契約を結ぶと抗うことができない外部の影響がない限りは契約書に従って仕事をする。
6.上海商人と一緒に商売をするなら金融分野での共同事業が成功しやすい。

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⑩江蘇の商人

1.江蘇商人の最大の特徴は長所を伸ばし短所を避けることである。彼らと組んでビジネスをすると長所を発揮でき劣勢になることを避けることができる。
2.江蘇商人の多くは薄利多売の戦略を実行し資金の回転を加速させる。

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⑪浙江の商人(寧波、温州、杭州など)

1.商売をする中で、杭州商人はメンツを第一に重んじる。最も良くないのはメンツを失うこと。生まれつき勤勉で倹約家である。杭州人はときどき金持ちぶって自分のメンツを保つ。
2.寧波商人はビジネスチャンスを掴むと経営方針を素早く調整する能力が非常に強い。
3.温州商人は面の皮が厚い。壁にぶつかることにを怖れない。人から良い顔をされなくも平気。彼らには一つの考えがある。それは「あなたがどのように私に接しても、私はあなたからお金を稼ぎます。」です。

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⑫安徽の商人、徽州商人または新安商人(※1)

1.安徽商人は儀礼を重んじる伝統がある。儒教精神の品格を教えられて育っている。
2.安徽商人は企業の成功を官に託すことを重視している。
3.淮北人(※2)は信義を重んじ、てきぱきと仕事をするが契約の観念が強くない。
4.淮南人(※3)はビジネスセンスがあり安徽商人の多くはこの地域から出ている。

※1.徽州商人または新安商人とは、安徽省徽州府出身の商人のこと。この地が昔、新安と呼ばれていたことから新安商人とも呼ばれる。明朝、清朝時代に活躍し、塩、米、絹、綿、茶などの貿易で有名になった。
※2:淮北人とは、淮河(わいが、拼音: Huái Hé)の北側の住んでいる人
※3:淮南人とは、淮河(わいが、拼音: Huái Hé)の南側に住んでいる人

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⑬福建の商人

1.閩南人(※1)とビジネスする時は、彼らの懸命に働き勝とうとする特性を十分重視して真剣に対処すべき。
2.石獅人(※2)は怖いもの知らず。唯一怖がるのは仕事が無くなること。そのため石獅人は、商売に長けており、商売が好きである。

※1.閩南人(びんなんじん)
閩南人は、福建省漳州、泉州、アモイ、龍岩、広東潮州係、海陆丰、雷州半島、海南、浙江省温州の東南地域、台湾に住んでいる。東南アジアの華僑の多くが閩南人。
※2.石獅人(せきしじん)
石獅人は、福建省の石獅市に住む人。

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⑭広東の商人

1.広東商人とビジネスの話をするとお金のこと以外はすべて無駄話とされます。
2.広東商人の眼に映っているのはお金、地位、そして面子(メンツ)です。
3.広東では何もかも忙しい。生活のために忙しく、金を稼ぐために忙しい。
4.広東商人は人と会う時に常に自分の力を最もよく見せようとする。彼らはブランド品の服を着て、精工な作りのパスワード付きのスーツケースを持ち、海外ブランドの腕時計をします。
5.広東商人は大胆でビジネスにおていは“人の褌(ふんどし)で相撲を取る”ことに非常に長けている。
6.広東商人はとても迷信深い。商売人は特にそうです。

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⑮四川の商人

1.ビジネスにあまり乗る気でない四川人とビジネスをする最も良い方法は、こちらから主体的に訪問し、四川人の巨大な消費市場を利用して商機を掴むのが良い。
2.四川商人には他人の損失を顧みないような人は非常に少ない。
3.商売において四川商人は信用を命としている。

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⑯陕西の商人

1.陝西商人と商売をする、旅行業の共同事業か新しい製品開発を重視すべき。観光業は、いにしえ(古)がキーワード。
2.陝西省の人と仕事をするときは、彼らの伝統製品を発掘することに頭を使うべき。
3.製薬や薬販売は、陝西商人が得意な分野である。

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⑰モンゴルの商人

1.頭が切れて気迫がある。こうと思ったら臆せずに発言し大胆に行動する。
2.誠実、さっぱりしていて、義理堅い。上手に付き合えば何をやっても上手くいくが逆の場合は注意が必要。外見はまじめそうだが内面はとても八方美人。
3.ビジネスにおいては、まず友達となりその後でビジネスを作ることがモンゴル商人の原則。

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参照元:百度文庫、全国各地商人性格分析より