意外と知らない人が多い、国際取引条約CISGとは?

皆さん、CISGをご存知でしょうか?
CISGとは、国境を越えて行われる物品の売買に関する契約や損害賠償の基本的な原則を定めた国際連合条約のことです。
正式名称は、国際物品売買契約に関する国際連合条約(United Nations Convention on Contracts for the International Sale of Goods) と言います。
国際連合国際商取引法委員会(UNCITRAL)の起草により1980年にオーストリアの首都ウイーンで採択されたのでウィーン売買条約と呼ぶ場合もあります。日本は2009年8月に締結しました。

条約数は101条あり、損害賠償請求、瑕疵修補請求、契約解除など国際取引で発生するトラブル・紛争についての取り決めが細かく定義してあります。
この条約は、取引における法的安定性を高め、取引実務を円滑化する為に作られた国際条約で、加盟国は、2017年3月時点で85カ国(内、ガーナとベネズエラは署名のみで未締結)です。

皆さんが取引する可能性が高いアジア諸国では、中国・韓国・シンガポール・ベトナム(2017年1月締結)が締結してます。
※逆に、未締結の国は、台湾・マレーシア・ベトナム・フィリピン・ミャンマー・インドネシア・インド・バングラデシュ・スリランカです。
また、欧米諸国では、アメリカ・カナダ・フランス・イタリア・ドイツ・スペイン・オーストラリア・ロシアなど主要先進国は、本条約を締結しています。
しかし、イギリスだけは未締結です。

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世界法として適応が増えているCISG

CISGは、世界法としての地位を確立しており、加盟国増加に伴って、この売買条約の適応を要求してくる海外取引先が増えるものと考えられます。CISGの詳細を細かく知らなくても、貿易はできます。
しかし、締結国間で売買契約をする場合、契約書等で定めてない事については、このCISGが自動適応されることは覚えておく必要があります。
また、非締結国との契約においても、紛争時の準拠法が締結国の法に基づく場合は、CISGが適応されます。

例えば、クレーム提起の期間ですが、日本の商習慣では、産業機器や工業製品のクレーム提起期間は1年程度とする場合が多いですが、CISGにおいてはクレーム提起期間は物品の引渡しから原則2年間と規定されております。

もし、締結国である中国に向けて工業製品を輸出した時に、契約書等でクレーム提起期間を特別に定めてなければ、本条約が適応され物品の引渡しから2年間となります。

国際条約などはあまり気にしてない方も多いとは思います。
しかし、こちらが知らなくても、トラブルが発生した時に契約相手がCISG条約を持ち出してくる場合があります。

原文は、英語ですが、外務所のホームぺージに日本語訳が掲載されているので、時間があるときは、一度読んでおくことをお勧めします。