2017年4月から独立行政法人日本貿易保険の株式会社化されました

貿易に関係する人でないと知らないと思いますが、貿易保険法改正により、2017年4月から独立行政法人日本貿易保険は、株式会社日本貿易保険に変りました。株式会社になったと言っても、一般の民間企業とは異なり、日本国政府が100%出資しており、資金が足りなくなった場合の履行担保を行っております。株式会社日本貿易保険は、その名の通り貿易保険を取り扱う会社で、NEXIと呼ばれております。では、貿易保険とは何でしょうか?その説明の前に貿易で知っておくべき3つの保険について簡単に説明したいと思います。

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海外企業との取引で使われる3つの保険とは?

海外企業と取引をする場合に使用する保険は、3つあります。

1番目が、輸送中の貨物の物的損害をてん補する貨物海上保険(外航貨物海上保険)

この貨物海上保険は、貿易取引で必ず考えておく必要がある重要な保険になります。

2番目が、製造物賠償責任保険(PL保険)

製造業者が販売した製品の欠陥により、ユーザーに対して生命や身体に怪我を負わたり、財産上の損失を出した場合の損害をてん補します。輸入販売を行っている業者も製造業者と見なされ責任を負う場合があるので取引する製品によって付保が必要です。

最後の3番目が、先ほど、株式会社日本貿易保険(NEXI)が扱っている貿易保険

貿易保険の詳細について

貿易保険は、非常危険および信用危険をカバーするものです。分かりやすくいうと、取引相手が契約通りに行わない、または行えない状況になった場合の損失を当事者の代わりにてん補する保険です。

1.非常危険(Political Risk または Country Risk )

戦争・革命や、為替取引の制限または禁止など、契約当事者に責任のない不可抗力のリスク

2.信用危険(Commercial Risk または Credit Risk )

取引相手の破産、倒産、支払い遅延など、契約の相手方の責任により発生するリスク

株式会社日本貿易保険は、政府出資の会社なので、万一、多額の保険金支払いが発生し独自資金での対応が困難な場合、政府が必要な財政上の措置を講ずることになっております。よって、安心して利用できる保険ではあるのですが、貨物海上保険や製造物賠償責任保険(PL保険)と違って、保険料さえ支払えば誰でも利用できる訳ではありません。

貿易保険は、保険引受基準を国が定めており、与信管理区分のPN、PU、PTに該当する信用状態が不明な者や、ペーパーカンパニー等経営実態のない者に対しては、非常危険のみで、信用危険の損失については基本担保されません。

信用状態が分かる相手であれば、基本は非常危険と信用危険の両方が担保できますが、財務内容に不安があり、将来環境等の変化が生じた場合に債務履行能力が問題となる可能性があると判断される者は、EC区分該当者として扱われて、信用危険が船積前の破産等しか担保されない可能性があります。

貿易保険の手続きの仕方

貿易保険の手続きをするには、貿易保険利用者コード(シッパーコード)を取得し、取引先の与信各付け取得をする必要があります。取引先が、日本貿易保険の海外商社名簿に登録されていれば、EEやEAなどの与信格付がそのまま使えますが、もし、未登録の企業であれば、相手先の信用調査報告書を取り寄せて、日本貿易保険に海外商社登録申請を行う必要があります。