ここ最近、線状降水帯やゲリラ豪雨のニュースを頻繁に見聞きするようになりました。1時間の降水量が50mmを超えるとバケツをひっくり返したような強烈な雨です。
気象庁の公式情報によると、日本で降った1時間降水量の歴代1位は、1999年10月27日の千葉県香取市、および1982年7月23日の長崎県長浦岳それぞれで記録された153mmであり、想像を絶するような豪雨が発生しております。
しかし、海外の記録は、日本を遥かに超えており、自然の驚異を感じさせるものばかりです。豪雨は時に大規模な洪水や土砂崩れを引き起こし、多くの人々の生活に影響を与えることもあります。ここでは、歴史に残る世界の1時間降水量トップ5を紹介します。
第1位:アメリカ合衆国・ミズーリ州ホルト(1947年7月22日)
1時間降水量:305mm
1947年7月22日、アメリカのミズーリ州ホルトで記録された1時間305mmの降水量が、世界で一の記録となっています。この驚異的な降水量は、短時間で大規模な洪水を引き起こし、地域社会に深刻な被害をもたらしました。この記録は70年以上経った今でも破られておらず、気象学の歴史においても特筆すべき出来事となっています。
第2位:フランス領・レユニオン島(1966年1月8日)
1時間降水量:261.5mm
レユニオン島は、インド洋に浮かぶフランス領の小さな島ですが、ここで1966年1月8日に記録された261.5mmの降水量が、世界第2位の記録です。この島は熱帯気候の影響を受けており、サイクロンが頻繁に発生します。この時も猛烈な嵐が襲い、短時間で大量の雨が降り注ぎました。
尚、同日のレユニオン島南東部Foc-Focと呼ばれる高地の24時間降水量は、1,825mmに達しており、1日の降水量として世界一の記録となっています。
第3位:フランス領・レユニオン島(1942年2月13日)
1時間降水量:250mm
再びレユニオン島が登場します。1942年2月13日に記録された1時間250mmの降水量が、世界で3番目に多い降水量となっています。この記録もサイクロンによるもので、レユニオン島の地形と気候がこのような極端な降雨量を引き起こす一因となっています。
第4位:フィリピン・ベンゲット州(1911年7月22日)
1時間降水量:232mm
フィリピンのルソン島北部に位置するベンゲット州では、1911年7月22日に1時間232mmの降水量が記録されました。この地域は山岳地帯で、特に台風シーズンには激しい雨に見舞われることがよくあります。この豪雨は山腹崩壊を引き起こし、多くの人命が失われるなど、地域社会に甚大な影響を与えました。
第5位:インド・マハラシュトラ州(1986年7月26日)
1時間降水量:223mm
インドのマハラシュトラ州では、1986年7月26日に1時間223mmの降水量が記録されました。この豪雨はモンスーンの一環であり、地域全体で深刻な洪水被害をもたらしました。インドのモンスーンは世界的にも知られており、年間降水量の大部分がこの期間に集中します。この記録的な雨量も、モンスーンの強力さを証明するものです。
結論
これらの記録は、地球の異なる地域で異なる気象条件が存在し、時に極端な気象現象が発生することを示しています。豪雨は自然災害の一つであり、その影響は計り知れません。気象学者や災害対応の専門家は、これらの極端な気象現象を研究し、その発生メカニズムを解明することで、被害を最小限に抑えるための対策を講じています。私たちもまた、これらの記録を通じて、自然の力とその影響について学び、備えることが重要です。