環境よりも経済発展を優先させてきた中国ですが、国民の健康に影響を及ぼすほど悪化した空気汚染は、もはや看過できないほど悪くなりました。
ここ数年、中国政府は、環境問題に対して厳しく対処するようになりました。
昨年、2017年7月、中国政府は、世界貿易機関(WTO)に対し、廃プラスチック、雑紙、雑品スクラップ等の廃棄物、すなわち外国ごみ(=洋垃圾)の輸入を段階的に停止することを発表しました。
そして、今回新たに、廃5金類(金、銀、銅、鉄、錫)、廃船、自動車スクラップ部品、製錬スラグ、廃棄プラスチック、ステンレスのスクラップ、チタニウムのスクラップ、木屑(木くず)を、2018年12月31日をもって輸入禁止とする発表をしました。
輸入規制にいたった理由
中国が輸入停止を目指すに至った理由には、次のことがあると言われています。
理由1
外国から輸入した廃棄物の中に汚染物質が混入していて、中国国内に深刻な環境汚染を引き起こしていること。
理由2
経済成長に伴って中国国内での廃棄物の排出量が増えており、国内に健全なリサイクル産業を育成するため、国内発生の廃棄物をきちんと回収し、それを適正にリサイクルして原材料に利用する仕組みを促進したいこと。
実は、日本の産業廃棄物は、品質が高いと理由で、これまで中国が大量に輸入しておりました。中国の方向転換は、日本のリサイクル、資源、その他関連業界に大きな影響を及ぼしつつあります。
中国政府発表の通達内容
固体廃棄物の輸入管理の徹底および環境汚染の防止のため、「中華人民共和国固体廃棄物汚染環境防治法」、「固体廃棄物輸入管理方法」および関連法にもとづき、生態環境部、商務部、発展改革委員、税関総署は、現行の《限制進口類可用作原料的固体廃物目録》、《非限制進口類可用作原料的固体廃物目録》および《禁止進口固体廃物目録》に関して、以下の通り調整する。
通達1
廃5金類(金、銀、銅、鉄、錫)、廃船、自動車スクラップ部品、製錬スラグ、廃棄プラスチックなど16品種の固体廃棄物を輸入禁止固体廃物目録に入れ、2018年12月31日から輸入禁止措置を執行する。
※詳細項目は以下の通り
通達2
ステンレスのスクラップ、チタニウムのスクラップ、木屑(木くず)16品種の固体廃棄物を輸入禁止固体廃物目録に入れ、2019年12月31日から輸入禁止措置を執行する。
※詳細項目は以下の通り