中国のペット市場
2018年7月、中国の国営放送(中国中央電視台)で放映されたペット産業の報道特集によると、中国で犬猫などペットを飼っている家庭は、5912万世帯になったとのことです。これは中国全世帯数のおおよそ10%に相当します。
中国ペット産業の市場規模は2017年に1340億元(≒2兆1850億円)に達しており、1兆4千億~1兆5千億円といわれる日本の市場規模を大幅に超えています。また、飼い主が一年間にペットのために消費する額は、平均6436元(≒10万5千円)となっております。
中国の可処分所得は、年間20,000~60,000元(≒32万円~97万円)ですので、単純計算すると飼い主は自分の所得の10%~32%をペットに費やしている計算になります。
なお、支出内訳をみると、犬の飼い主の方が猫の飼い主より1689元(≒2万7千円)多く支出しており、ペット向けサービスよりペット用グッズへの支出の方が3384元(≒5万5千円)多いとのことです。
飼い主の変化
生活水準の向上にともない、ペットに対する意識も大きく変化しており家族の一員としてペットを可愛がる人が増えております。
ペットの飼い主の多くは、十分な収入と教養がある若い世代であり、北京や上海などの大都市では、ペット専門の美容SPA・散髪・プール・喫茶店などが人気を集めています。
ペット飼い主の特徴
➀飼い主の70%が80年~90年代生まれの若者である。
➁飼い主の50%が4年制大学本科卒業している。
➂飼い主の58%を女性が占めている。
➃男性の飼い主が急速に増えている。(年10%増)
ペットに対する考え方の変化
犬を食べる文化がある中国(※一部地域)は、ペットに対する考え方や扱い方が日本とは根本的に異なると言われていました。
しかし、犬を玩具のように扱う人は、年々少なくなっています。
たしかに中国の一部の飼い主は、成犬になったペットを捨てる場合があります。しかし、日本でもあるように家族の一人が妊娠しているなど特別な事情がある場合がほとんどです。
大多数の飼い主は、ペットを家族の一員として大事に育ており、行方不明になったペットに高額の報酬金をかけて探す飼い主も年々増えています。
また、最近は、捨て犬を保護し新しい飼い主を見つける活動をおこなっている動物保護団体が増えており、著名俳優などが積極的に参加しています。
ペットの健康管理
大都市を中心に動物病院が増えており、子犬や子猫の時から予防接種を受けれる環境が整いつつあります。
また、中央政府はペット飼い主に対して狂犬病のワクチンを無料供給したり、【飼養証】の保有を義務付けたりしており、飼い主が責任を持ってペットを飼うように指導しています。
※飼養証の申告作業を便利化にするためにインタネット申告が始まりました。
※飼養証の重要な確認項目がワクチンの接種状況です。