中国人スタッフが見たある日本人駐在員

彼が働いている会社では、取引先のリスク管理を、第三者機関による与信調査はせずに、中国人の営業スタッフ一人一人が担当取引先に点数を付けることでリスク管理をしているそうです。それぞれのスタッフが会社ルールに従って正しく評価すれば良いのですが、実際は、日本人駐在員が勝手に取引先の点数をつけて担当の中国人スタッフに捺印させているそうです。
このような誤魔化したリスク管理に対して中国人スタッフ達は抵抗感を思ってますが、上司である日本人駐在員の命令に従わないと、嫌がらせを受けたり最悪は首にされる恐れがあるため、しぶしぶサインをするしかないそうです。
実際に、意見を言った中国人スタッフに対して、日本人駐在員は、『この世では絶対な公平が存在しない、君がここで幸福感が無ければ、辞めても良いぞ。人生は自分のものだから。。。」との脅し文句が返ってきたそうです。

中国人スタッフは言います。

残念ですが、このような日本人駐在員は最近増えています。本社の代表としてせっかく中国に赴任しているのにリスクに対する意識レベルが低くて呆れてしまいます。本人は、いざとなったら代金回収の責任を現地スタッフに転嫁すれば良いと思っているのでしょうが、そんなやり方は、会社に損失をもたらすだけです。
私たち中国人スタッフは、自分たち家族の生活を守るため中国事務所の業績向上に貢献し、正当に評価されたいと思っていませ。しかし、日本人駐在員は、中国事務所が守れなくても東京本社に戻れるためなのか、仕事に対して温度差があるように感じます。日本本社の経営陣は、日本人駐在員からの定期的な報告だけを鵜呑みにしており、なかなか私たち中国人スタッフの声は届きません。

上記の会社の場合は、日本人駐在員の姿勢が原因で中国人スタッフ全員の士気が落ちてしまっております。実際に話をしてくれた企業の中国人スタッフは、やる気を失っており辞めたいと思っているそうです。(自己都合でやめると退職金が減るから働いているそうです。)このような状況では、業績が上がるることは難しいです。中国ビジネスは難しいとよく聞きますが、本社の経営者は、日本人駐在員の話だけ聞くのではなく、中国人スタッフの声にもっと耳を傾けることで必要です。中国人スタッフと同じ気持ちになり彼らの生活を守るために共に汗をかく姿勢があれば、事務所全体の士気もあがり業績が向上するのだと思います。