油断大敵、久しぶりの出荷トラブル

先週、日本で製造した精密機械部品を日本から海外の顧客に出荷しました。
いつものように日本の製造メーカーから届いた段ボールを開け、製品に傷や破損などはないか?寸法は合っているか?など基本的な外観検査をおこない、緩衝材を十分に入れて再梱包し、某有名国際クーリエ業者を使い発送しました。そろそろ顧客の指定工場に貨物が届いただろうと思っていると、調達責任者から届いた製品が破損しているとのメールが、、、。

◆顧客からのメール◆
For this order, we found there is 1pc faulty as below picture shown, please have a check and advise on the replacement.

添付された写真を見ると送った部品の一部が確かに割れています。この部品は、非常に脆く壊れやすい部品であったので十分注意して梱包したのですが、どこかで割れてしまったようです。。。輸送中もしくは客先で開梱したときの衝撃によるものが考えられますが確証はありません。

いつもは精密部品の梱包時に製品写真を撮っているのですが、今回は、忙しかった事と根拠のない過信で梱包後の箱の外観写真しか撮っていませんでした。

不幸中の幸いで、たまたま予備部品を持っていたので直ぐに交換品を発送することができましたが、もし予備品がなければ大変面倒なことになっていたと思います。

出荷前写真の重要性

今回の件で出荷前に製品写真を撮っておく重要性をあらためて感じました。特に壊れやすい機械部品などは、破損問題が発生すると、製造メーカー・発送者・運送業者・顧客、それぞれの立場で見解を述べ自己責任の回避をするので、落としどころを見つけることが難しくなります。そして、多くの場合、契約上の弱者が泣く泣く責任を負うことになります。

しかし、出荷時に一枚だけでも製品のアップ写真を取って顧客に送っておけば、今回のような事態が発生しても、初めから有利な立場で顧客や運送業者と交渉ができます。話し合いの結果、たとえ自社負担で取り換え品を発送することになったとしても、良心的な顧客なら必ず恩義を感じてくれます。そして更に関係が深まり、もっと大きなビジネスに発展することがあります。

長年の貿易をしていると、本当にいろいろなことが起きます。特に中小企業の場合は、トラブルが起きてから労力をかけて戦うより、トラブルが起きないよに事前に手をうっておくほうが時間的にも事業的にも有効です。今回の経験であらためて事前対策の重要性を再認識しました。

以上