伊藤忠商事が自社の総合職の約 1/3 となる 1000 人の中国語人材を育てた、という ニュースが話題となりました。同社の会長の話によると、中国にはたたき上げの、中国語しか話さない経営者が多いそうです。そこで今回は、中国語の可能性について考えてみたいと思います。
中国語はビジネスで有用
海外の中では中国市場の売上シェアが一番大きい、という中小企業も多いのではな いでしょうか。その一方で、一般的な中小企業の海外部門での中国語話者は、英語 の話者に比べずっと少ないように思えます。学校教育を見れば分かるように、日本で 外国語と言えば、まだ多くは英語を意味しているのです。 もし自社にとって最大のビジネスチャンスが中国にあるのなら、通訳者や販売代理店 だけ頼らず、その国の言葉、つまり中国語を自社の海外担当者が主体的に学び、仕 事に活かす意義は大きいと考えられます。何しろ、中国では中国語しか話さないビジ ネスマンが非常に多いのですから。実際に現地で中国人と交流を持つ際に、こちらか ら積極的に中国語を使う姿勢を見せると、多くのケースで喜ばれます。これはビジネ スを行う上で多少なりともプラスに作用することになるのではないでしょうか。 また、言うまでもなく中国は世界第二位の経済大国であり、今後も世界経済の中での 中国人のプレゼンスが高まり続けることは間違いないでしょう。そのため、中国だけで なく中国語にも大きな将来性があると言えます。
日本人のアドバンテージ
日本人には中国語を学ぶ上での大きなアドバンテージがあります。それは言うまでも なく「漢字が理解できる」という点です(例えば欧米人にとって漢字は図形のようなも のにしか見えないでしょうから、彼らが中国語を習得することは非常に困難でしょう)。 中国語では「簡体字」という、台湾や日本で見るような漢字を簡略化したような字体の 漢字が使われます。そして一般的な日本人であれば、完全とまでは言えないまでも、 中国語を見れば「何となく」意味が分かる場合が多々あります。また、中国語では一 部の例外を除き、一つの漢字には一つの読み方しかありません。したがって、中国語 の漢字の読み方をマスターした場合、仮に会話の中で自分が言おうとすることに対す る中国語の単語が分からなかった場合でも、まずは日本語の単語(漢字)を思い浮か
べて、それを中国語の発音で読み上げることができれば、相手の中国人にこちらが 言わんとする意図を汲み取ってもらえることが多々あります。
まとめ
BtoB 分野のマーケティングであるかを問わず、もし海外のいづれかの国でビジネス を行うのであれば、現地の方とその国の言葉で会話できるに越したことはありません。 その中でも中国語は話者の数、ビジネスに対する有効性、将来性など、どの面をとっても学習に対するリターンが最も大きい言語のひとつであることは間違いないでしょう。
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