6月25~29日の週において、フルフラール(以下、FFLと言います)の中国市場相場は、小幅に値上がりしたものの、市場におけるFFLの需要は、旺盛とは言えませんでした。
6月25~29日のフルフラール相場総括
先週FFL相場は、下落しました。しかし、今週(6月25~29日)一部ユーザーで在庫補充のための発注があり、相場は、小幅に上昇しました。
上海合作組織サミット(上海協力機構首脳会議)により多くの企業が操業停止となっていた山東省地域の工場渡し(EXW)のFFL平均価格は、1MTあたり先週比400~500元(約60~75ドル)高の13,000~13,100元(約1,965~1,980ドル)になりました。
今後の相場見通しですが、川下の需要動向が不透明であり、予想が立て難い状況です。
専門家によるFFL市況について
1.今週(6月25~29日)は、FFLの市場流通は、順調であった。
2.現在、川下の各ユーザーは、自社の需要に応じて、理性的に必要量だけを調達しており、市場価格を吊り上げるような大量発注がなく相場は、安定しており、僅かに上昇するにとどまっている。
3.上海合作組織サミットによる山東省地域の化学工場操業停止命令など政府の環境保護政策により、FFL工場は、操業停止などの影響を受けたが、FFLの市場価格には、まだ大きな変化が出ていない。来週から山東省地域のFFL工場が操業を再開し、また川下需要が旺盛でない現状からFFL価格の高騰は、短期的には考えにくい。
6月25~29日の山東地域のFFL参考価格(単位:元/MT、EXW価格)
6月25日月曜日12,700(先週相場から横ばい)
6月26日火曜日12,800(値上げ開始)
6月27日水曜日12,800-12,900(継続して小幅値上げ)
6月28日木曜日12,900―13,000(継続して小幅値上げ)
6月29日金曜日13,000-13,100(継続して小幅値上げ)
専門家による来週のFFL相場展望
今年、2018年上期のFFL相場は、工場渡し(EXW)価格で13,000元(1965ドル)/MTを行ったり来たりしている。 昨年のような価格の乱高下は、まだ発生しておらず、現状のままであれば、FFL相場の上値は重いと見ている。
いずれにしても上海合作組織サミットが終わり、来週から停止していたFFL工場が再稼働するため、相場がどう変化するか見極める必要がある。