海外ビジネスは、とてもやり易くなりました
国際物流および自動翻訳などのコミュニケーションツールの発展により、海外企業との取引は昔にくらべはるかに簡単になりました。これまで国内販売しか行っていなかった技術系メーカーも、やる気さえあれば、自社で海外販路を見つけて直接販売することが可能です。
しかし、国内とちがい、海外企業との取引は、何かあった時にすぐに客先のところにいって交渉することができません。どうしても海外ビジネスは心配事が多くなりやすく、契約リスクを少なくしようと思ってしまいます。
たとえば生産設備を海外に販売する場合、
・保証すべき精度や速度はどのような条件下での数値とするか?
・検収条件で使うサンプルは、誰が何個用意し、どこの測定機器でデーター検証するのか?
・保証期間は、何時からスタートするのか?また保証する内容は何か?
などなど、国内では多少曖昧でも許されることも細かく確認をしたくなります。しかし、たとえ全てのリスクを洗い出し書面で取り交わしていても、100%安全な取引はありません。豊富な海外ビジネス経験を持つメーカーでさえトラブルに巻き込まれて損失を出すこともあります。
海外経験が少ない企業はどうやって契約交渉すれば良いか?
では、海外ビジネス経験に乏しい企業が、海外企業と交渉するには何に気を付ければ良いのでしょうか?貿易に関する専門書を読めば、リスク回避の方法がいろいろと書いてあります。
しかし、一番大事なのは『お金を確保してから動く』これに尽きます!
当たり前な回答になってしまいますが、海外ビジネスにとって、先にお金を確保することは本当に重要です。
国内取引では、納入後xx日または、検収後xx日など後払い契約がほとんどであり、前金は余程の事でないとお客様に受け入れてもらえません。
しかし、海外のお客様と交渉する場合は、どんな取引でもまずは前金から交渉すべきです。たとえ断られても前金50%残りは出荷後50%、もしくはL/Cと呼ばれる信用状取引などを使い、とにかくお金が確実に入るように交渉します。お金さえおさえていれば、契約内容に多少の不備があってもなんとか交渉できるものです。
逆に、ありとあらゆるリスクを書き出し、何度も顧客と交渉してやっと取り決めた契約でも、支払条件が後払いになっているだけで、代金回収ができず大きな損失を出す可能性があります。もちろん、貿易保険などもありますが、実際に活用するには手続きが必要となり保険料を考えるとできるだけ使わない方が良いです。また、あまり細かいことを交渉していると海外のお客様が嫌気をさしてビジネスの機会を失うこともあります。
海外でリスクを少なくビジネスチャンスを掴んでいくには、まずお金の確保を最優先に考えて、顧客と交渉していくことをお勧めします。