EXW、FCA、FOBで契約すると、通常は送料着払いで発送します
産業機器、機械、部品など工業製品の海外ビジネスでは、初めてのお客に出す見積書は、EXW(出荷工場渡し条件)、FCA(運送人渡し条件)、FOB(本船甲板渡し条件)における価格で作成します。
勿論、輸送費・保険費込みのC&F(運賃込み条件)、CIF(運賃・保険料込み条件)や客先までの全ての輸送費(運賃)とリスクを負担するDDP(仕向地持ち込み渡し・関税込み条件)で見積りしても問題はありません。
しかし、仕向け地までの正確な輸送費を算出する手間とリスク負担範囲も増える事から、特別な優遇レートで安く運送できる企業以外は、わざわざ面倒なC&F、CIF、DDPを使う必要はありません。
EXW、FCA、FOBを使った方が良い3つの理由
1.輸送費や保険料を算出する手間が省けすぐに見積もりができる
2.輸送トラブルが発生した時の責任を回避できる
3.輸送費の変動リスクを負わなくてよい
見積書通りEXW、FCA、FOB条件で契約がまとまった場合、海外のお客は、自ら輸送業者アレンジして、契約で取り決めた国内の集荷地点に引き取りに行く必要があります。
しかし、実際のビジネスでは、売主である発送人(シッパー)が、海外のお客様から指定された輸送業者に連絡して集荷をアレンジする場合が多いです。
特に、最近は、ちょっとした精密機器であっても、FEDEX、DHL、UPSなどの国際宅配便業者(国際貨物航空会社)で発送する事が多くなっており。その場合は、お客様の保有する宅配業者のアカウント番号を聞いて、送料着払いで発送することになります。
送料着払いは英語でなんて言うの?
EXW、FCA、FOBなど運賃費が含まれない契約の製品は、送料着払いで発送することになります。この送料着払のことを英語で、FREIGHT COLLECTといいます。
よく、インタネットで『着払い 英語』と検索すると、CASH ON DELIVERY (略してCOD)と出てくる場合がありますが、これは日本語で言う、商品代金引換払い、つまり代引きの意味であり、意味が違います。
通販などB to C取引ではCODはよく使うのですが、このブログの読者は、工業製品を扱うB to B取引なのであまり使わない言葉だと思います。
因みに、運賃着払いに対して、発送人支払い(元払い)は、FREIGHT PREPAIDといいます。CIFやDDPなど輸送費込みで契約した時は、FREIGHT PREPAIDで製品を発送する事になります。
FREIGHT COLLECT
Used to state that the person or company that receives goods will pay the cost of transporting the goods at the time they are received:
All freight and charges billed on a freight collect basis must be paid in full prior to release of the cargo.
(Definition of “freight collect” from the Cambridge Business English Dictionary © Cambridge University Press)
Cash on delivery (COD) or Collect on delivery
a method of doing business in which a company will transport goods to a customer and take payment for the goods at the time they are given to the customer:
(Definition of “cash on delivery” from the Cambridge Business English Dictionary © Cambridge University Press)