天津港を使わない河北省化学品メーカー

河北省の某化学品製造メーカーに見積もりを依頼したところ、

製品の船積み港は、遼寧省大連港になりますとの連絡がありました。

河北省には、近くに天津港という巨大な港があります。

わざわざ、時間と費用をかけて遼東半島に先端にある大連港で船積みする必要はないはずです。

メーカーの意図が分からず理由を聞いて見たところ

2015年8月の天津港の化学品倉庫大爆発事件以降、天津港は危険な化学品の船積みを厳しく管理するようになり

河北地域の化学品メーカーは、大連港を使う場合が多いとのこと。

事故から3年以上過ぎた今でも爆発事故の影響が残っていることに驚くとともに、あらためて中国ビジネスは情報が大事であると実感しました。

化学品の輸出入においては、知識をもった中国パートナーと仕事をすることがとても重要になります。

特に発火温度の低い化学品など危険物を取り扱う場合は、コンテナ自体が高温になりやすい夏場の取り扱いをさけるなど注意が必要です。

天津港の化学品倉庫大爆発事件について

2015年8月12日、天津市浜海新区天津港にある瑞海国际物流有限公司の化学薬品倉庫で火災が起き、駆け付けた消防隊員が消火活動にあたっていたところ大規模な爆発が発生しました。

爆発により直径97メートル、深さ2.7メートルの巨大クレーターができ、爆発中心から半径150メートルの建物は破壊され、600メートル離れた駅も崩落。7641台の商用自動車と消化活動をおこなっていた30台の消防車が全損となりました。

巨大な火柱があがる映像は、当時世界中に衝撃を与えました。

事故を起こした倉庫会社は、ずさんな管理で保管許可量を大幅に超える3000トン近い40種類の化学薬品を倉庫に置いており、消火活動で使用した水が炭化カルシウムなどと化学反応を起こし大爆発を引き起こしたと言われております。

中国政府の発表によるとこの事故で160名以上が亡くなり、負傷者は700名を超えたとのことですが、死者数は1000名を超えたとの噂もあり真偽は不明です。